今週の山頭火句

今週の山頭火句 重荷は二人でよいこらさ 山頭火

2015年8月6日木曜日

「一草庵夏の子どもまつり」を8月9日(日)に開催します。

「第5回一草庵夏の子どもまつり」の開催。


まつやま子どもの日=8月8日に協賛して、
一草庵で「夏の子どもまつり」を開催します。

  ☆日 時  平成27年8月9日(日) 13:00~15:30
 ☆場 所  一草庵<松山市御幸1丁目 護国神社西隣>




   手作りの竹竿を流れるソウメンをお召し上がりください。カキ氷、すいか割りも
   用意しています。

   ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
   『山頭火の紙芝居』。
   そして『子ども俳句大賞』、『家族俳句絆賞』の発表・表彰。
    子どもと大人で一緒になって生まれた「家族俳句」も表彰します。

   <子どもは、無料ですが、大人の方は、参加費200円を

   ■問い合せ先 NPO法人まつやま山頭火倶楽部 090-6882-0004

2015年7月30日木曜日

第17回山頭火俳句ポスト賞』の発表!

第17回山頭火俳句ポスト賞』発表。

(投句期間は、27年3月1日~6月30日) 

 表彰式は、8月9日(日)に一草庵夏の子どもまつり会場で。
      
一草庵の「山頭火俳句ポスト」に投句された俳句は162句。
(一般137句、児童25句 内、県外句40 東京猪江市、町田市、国立市、江戸川区、国分寺市、茨木市、茨木県小美玉市、埼玉県深谷市、川口市、神奈川県相模原市、豊橋市、札幌市、山形県天童市、山形市、富山県小矢部市、千葉市、松戸市、愛知県西尾市、山梨県甲府市、東大阪市、岡山市、兵庫県須磨市、山口県周南市、アメリカ等)よりの投句の中より、各選者の先生に優秀句を選んでいただきました。) 
                                                                   
                 
山頭火俳句ポスト賞

  酔うて月の中に寝る      松山市 堀口路傍 

【評】山頭火の句に「酔うてこうろぎと寝てゐたよ」という句があり、それを少し拝借したような自由律である。
 月のきれいな夜、月を見ながら酔ったままいい気分で寝ているのだろう。
「酔いし我月の光を浴びて寝る」こう詠めば無難であるが少しもおもしろくない。
「月の中に寝る」この短さは、この句に想像性と広がりを与えた。(本郷)

山頭火柿しぐれ賞

 春愁や砂のつまりし二枚貝  松山市 武智敦子

【評】我が国では、古くから春の大潮のころ、海辺で魚介や海藻を採取して煮炊きし、食膳に供して楽しむ「磯遊び」の風習がある。そんな時でもあろうか、アサリやハマグリのような二枚貝を手にしたが、開いてみると砂が詰まった死貝だった。裏切られた気分は、何とはない春の憂いをさらに深める一瞬となる。(熊野)


小西昭夫・選

【特選】下萌という羊水の息づかい  松山市 今岡美喜子

 【評】羊水の中では新しい生命の息づきが始まっているが、
    大地の下萌もこれから盛んになる生命の先駆け。羊水
と下萌の類似の発見が輝いている。

【入選】息をする死               松山市 玉野若紫

【評】生きているとは心身ともに健やかであることだろう。
   たとえ肉体は元気でも心を失えば、もはや生きているとは言えないというのだ。ドキッとする句である。


白石司子・選

【特選】子規百句手に発心の五月旅   松山市 岩崎美世

【評】瑞々しい若葉に包まれ、生命力溢れる五月だからこそ、発心の旅に出るのもいい!それも「子規百句」を手にして!    我々俳人にとっての原点といえば、やはり正岡子規。俳諧の発句を俳句とした子規を知らずして俳句は語れなの 
   である。

【入選】 囀や草庵寂と静もれる       東京都町田市 笠原祥郎

【評】春の明るさ、おおらかさを実感させる「囀」であるが、山頭火の眠る庵は、ひっそりと静まりかえっている。生の象徴
   でもある賑やかな鳥の鳴き声が、主なき草庵の寂漠感を際立たせる。

本郷和子・選

【特選】のうぜん花護先生今いずこ   松山市 岩崎美世  
 
【評】山頭火研究の第一人者であっただけに、一草庵や山頭火、と言えば
村上護氏と、誰もが思う。作者は、のうぜん花の咲く頃、天へ旅立たれた護先生のことを心から偲んでいるのだ。
花の鮮やかな色に、護先生の文学への情熱が秘められ、伸びる蔓は天の先生の元に届くかも知れない

【入選】踊子草佳境に入らば舞ひ初むる  松山市 西野周次

 【評】踊り子草は、人が笠を着て踊るのに似ているので、この名がある。
   「佳境に入れば」というので、踊り子草を擬人化し、いよいよ、その時が来れば、舞い始めるのだろうという空想
   のポエムがある。俳句は、写生から一歩踏み出すことも楽しい。

熊野伸二・選

【特選】秘めごとは蛍袋の中に閉づ    松山市 今岡美喜子

【評】「ホタルブクロ」の名前は、釣鐘型の袋のような花に、ホタルを入れて遊んだのが命名の由来とか。
   直径2,3㌢、長さ7,8㌢の花だから、閉じ込める秘め事は、ほんの小さなものかもしれない。
   山野にさりげなく咲く花の素朴さと、秘め事をその花に託そうという作者の純情が響きあっている。

【入選】余花の雨一夜かぎりの遍路宿  茨城県小美玉市 吉原喜枝子 

【評】立夏の後、若葉の中に咲き残っている桜の花、即ち余花が、雨に濡れている。遍路もまた雨に降られ、その日の行程を早目に切り上げて投宿する。どこに行き倒れても良いとの覚悟で、死装束の白衣を身に付けた遍路にとっては、全てが一期一会。この宿も再び止まることのない一夜限りーの感懐。

一草庵児童賞

ゆきだるま手足は木のぼうのっぺらぼう  松山市 永野華月

 【評】雪だるまを作って、手足は木の棒で作ったが、顔は
    作らなかったのだろうか。「頭かくして尻隠さず」と
    いう可笑しさがある。「木の棒」「のっぺらぼう」の畳
    みかけるリズムも楽しい。(小西)

ひこばえや折り紙みたいな空の色      松山市 岡崎 唯


【評】この句は、いつも当たり前のように見ている空を、「折り紙みたいな」色と捉えたところがすごい!
   そんなきれいな色の空だったら、君も、ひこばえもぐんぐん空に向かって成長していくね!(白石)



2015年6月5日金曜日

新聞に紹介された「俳句一草庵の特選句」

 紹介が遅くなりました、愛媛新聞に紹介された「俳句一草庵の特選句」です。


愛媛新聞 2015 5.20


『俳句一草庵賞』の選評です。
       
≪俳句一草庵大賞≫

 届かない思い枯野の先は海    弓削高等学校  津國亜美

 この「届かない思い」は相手があっての思いだろう。ひろびろとした「枯野」、その先には海原が望める。作者の思いは枯野をさまよい、海原を漂う。青春の厳しさを嫌という程、味わっている。その「届かない思い」が青春であるが、「枯野」という暖かい季語に救われる。そして、海という解放感も味わっている、若々しい句だ。(水内慶太)

≪松山市文化協会会長≫

どこからが私どこまでが枯野      伯方高等学校 重松英里南

 一見、難解句である。人間の内面を追求した深い句と思える。自分自身を見つめ、自分は何者であるか、いかに生きるべきか、精神を研ぐ思索がある。季語に枯野を入れたことにより、より深く広く個性的な一句となった。(本郷和子)

≪山頭火一浴一杯賞≫ 

春三日月ブローチにして逢いに行く    松山市 長澤久仁子

 夕暮のデート。空には三日月がかかっている。その三日月をブローチにして逢いに行くのだ。待ちに待った心高鳴る時間。(小西昭夫)

≪山頭火柿しぐれ賞≫

紙風船命突く音刻みけり                松山市 今岡美喜子

 紙風船は軽いものであるが、突くときは意外と重い音が出る。それを「命突く」と表現したことで、一句に深さと重みを出した。これは人生経験を経た者にしか浮かばない発想だと思う。一突き一突きに命の重みがある。(本郷和子)

≪村上護記念賞(水内慶太選)≫

寝て覚めて死んでゆくだけ花菜漬    川越市 祐森水香

 難しい言葉は使わずに、平易な言葉で紡いでいるのが良い。「命」という、難しいテーマだが、「寝て覚めて死んでゆく」は万人が辿る道で、山頭火の「ころり往生」と重なる。私はこの死に対する山頭火の達眼が、厳しく磊落なイメージとして松山の多くの人々に支えられて、幸せな最晩年を過せたと思う。この句もその思いが「花菜漬」という季語に抑えられ、山頭火への鎮魂の句だ。(水内慶太)

《水内慶太選》

一般の部・特選
わたし今母の母かも朧月        那覇市 そら紅緒

 山頭火の母が脳裏を掠めるが、この句は作者のお母さんの介護の句であろう。高齢化時代では親の介護は切実な問題で、今後は介護の句はもっと作られるだろう。「かも」と惚けたところに、親へ恩返しが出来る幸せを噛みしめている姿が見える。外さず添うように付けた季語の「朧月」が効いている。

一般の部入選
春の雲道を曲がればそれは旅     東温市  河野寿子

「旅」とは「住むところを離れて、他所の土地に行くこと」、「家を離れて歩きめぐること」、「旅行をする」だ。その中でこの句の場合は、「家を離れて歩きめぐること」だろう。「道を曲がればそれは旅」の断定は俳句でしかいえない事だろう。「春の雲」の放浪癖も、ほど良い付き方といえる。

土くさき詩のひともとのかげろへる   東京  染井かしこ

「土くさい」は意味の中に「田舎風である・やぼったい・あかぬけしない」などと、見下されたいい方だが、「土くさき詩」は言葉で飾り付けない表現といえる。その「ひともと」、すなわち一行詩が陽炎に巻かれてかぎろっている。「土」と「詩」だけが漢字で、後は仮名に開いたことで、仮名文字の揺らぎも見えてくる。「地」と詩魂は昵懇だ。

高校の部特選
届かない思い枯野の先は海     弓削高等学校 津國亜美

 この「届かない思い」は相手があっての思いだろう。ひろびろとした「枯野」、その先には海原が望める。作者の思いは枯野をさまよい、海原を漂う。青春の厳しさを嫌という程、味わっている。その「届かない思い」が青春であるが、「枯野」という暖かい季語に救われる。そして、海という解放感も味わっている、若々しい句だ。

高校の部入選
生きてきた時間のかおり冬林檎   伯方高等学校 野間千陽
 
 人生を春夏秋冬で喩えることができ、この句の冬林檎は「冬」で老年期か。そうではなく林檎の場合、詩歌の世界では青春期として使われることが多い。それも「時間のかおり」には、老年期までの「匂いの賞味期限」は辛い。青春期の多感ゆえ「生きてきた時間のかおり」が生きる。この句も青春の一ページを見せてくれ、今しかできない良い句だ。

《小西昭夫選》

一般の部・特選
お日さまの淡い体臭昭和の日    千葉県柏市 田中喜翔

 確かに日の匂いを感じることがある。そのお日さまの匂いを「淡い体臭」ととらえたところが出色。日の匂いにはどこか懐かしい感じがある。昭和の日が決まっている。

一般の部・入選
わたし今母の母かも朧月        那覇市 そら紅緒

 いつも元気で私を育ててくれた母の介護が必要になった。まるで子どものようになってしまった母を介護するわたしは、今、母の母かもしれないと思ったのだ。そんなアンニュイな気分の空には朧月。

春三日月ブローチにして逢ひに行く 松山市 長澤久仁子

 夕暮のデート。空には三日月がかかっている。その三日月をブローチにして逢いに行くのだ。待ちに待った心高鳴る時間。

高校の部・特選
生きてきた時間のかおり冬林檎   伯方高等学校 野間千陽

 これまでの生き方がとても清潔だったのだろう。冬林檎のかおりのような生き方である。とても純粋に誠実に生きてきたのだ。

高校の部・入選
どこからが私どこまでが枯野  伯方高等学校 重松英里南

 自分を持て余している青年期の不安な感覚が、対句的な句またがりの表現から伝わってくる、これが青春だ。

野うさぎのごとく走りて春の雪      飛騨神岡高等学校 稲木真優
 夕暮のデート。空には三日月がかかっている。その三日月をブローチにし
て逢いに行くのだ。待ちに待った心高鳴る時間。

《白石司子選》

一般の部・特選
好き嫌いみんなまとめて花一匁   松山市 今岡美喜子

 子供の頃の遊び「花一匁」は、じゃんけんで勝った方が、相手の方の 好き
な子を取ったが、そんなことにこだわるからこそ起こる諍い。国際社会の今、また、長閑でおおらかな気分になる春だからこそ、好きも嫌いもみんなまとめて「花一匁」なのである。

一般の部・入選
雛祭る酒豪の血筋三姉妹       松山市 二宮一知

 嘗て女性には選挙権もなく虐げられていた時代もあったが、現代は女
性の時代といっても過言ではないほど、その活躍に目覚ましいものがある。
だから血筋だけに終わらず、酒豪の三姉妹がいたとしても決して不思議では
ない。この句からは、「雛祭る」との響き合いにこれまでにないものを感じ、また、三姉妹にぜひお目に掛かりたいとも思った。

川堤さくら菜の花菜の花さくら    埼玉市 井上寿郎

 映画「男はつらいよ」のワンシーンが思い出されるような「川堤」。そして、そこを彩っているのが、さくら菜の花、いや、鮮やかさからすれば菜の花さくらというべきか。ともかくも、作者はこの世の春を謳歌しているのである。

高校の部・特選
はまったから春泥            松山西中等教育学校 山口拓馬

 こういう破調は俳句甲子園では、no good。でも、山頭火さんの「俳句一草庵」では、oll korrect。いつも五七五と指折りつつ俳句を作っていたら息がつまりそう!たまにはこんな句も作ってみたいよね。季語「春泥」の もつ本意本情をうまく活用したからこそ、十音でありながら、作者の言いたいことが読者に伝わってくる。

高校の部・入選
ウソにまたウソをぬりたる鐘朧  松山東高等学校高畠慎太朗

一度嘘をつけば際限なく続く嘘。上五・中七のフレーズはよくあるが、季語「鐘朧」との取り合わせで成功。どこからともなく響いてくる鐘の音に「ウソにまたウソをぬりたる」ことに呆然としているような作者像が浮かんでくるのである。

“運命”の八分休符や風光る  
                  松山西中等教育学校 松下高宏
“運命”はベートーヴェン作曲のだと思うが、作者自身のとも取れる。運命に流されながらも、時としてそれに抗いたいと思う時がある。それが「八分休符」。そうすれば、きっと風も光るにちがいない。

《本郷和子選》

一般の部・特選
春霞吊り橋が浮く島が浮く           松山市 八木重明

 瀬戸内ならではの景である。
春霞の中の吊り橋も、その向こうの島も、まるで宙に浮いたように見えたのであ
ろう。春の霞はすべておぼろに見える特徴がある。「浮く」をリフレインしたところが、リズミカルで楽しい。技巧的でなく素直に詠んでいる。

一般の部・入選
紙風船命突く音刻みけり          松山市 今岡美喜子

 紙風船は軽いものであるが、突くときは意外と重い音が出る。それを「命突く」と表現したことで、一句に深さと重みを出した。これは人生経験を経た者にしか浮かばない発想だと思う。一突き一突きに命の重みがある。

はかなさはいさぎよさともはながちる  岐阜市 若山千恵子

 すべてひらがなにしたこの句はサラリと表現しているが並の句でない。「はかなさ」と「いさぎよさ」には、相通ずるものがありながら、二つの語には、人間の悲しさ、弱さ、決意など、多くを含む。下五にそれらすべてを集約している。

高校の部・特選
どこからが私どこまでが枯野   伯方高等学校 重松英里南

 一見、難解句である。人間の内面を追求した深い句と思える。自分自身を見つめ、自分は何者であるか、いかに生きるべきか、精神を研ぐ思索がある。
季語に枯野を入れたことにより、より深く広く個性的な一句となった。
 
高校の部・入選
生きてきた時間のかおり冬林檎  伯方高等学校 野間千陽

 冬林檎を齧った時の、あのさわやかで甘酸っぱいかおりは、心の中まで幸せ
なる感がある。今まで生きてきた十代の君の時間は、この幸せのかおりなのだろう

真っ白な靴紐結び山笑う    飛騨神岡高等学校 川上このか

 新しい真っ白な靴紐をキュッと結び、さあこれから出発。登校か、旅行か、
それともどこかへ。作者の明るい希望に満ちた気持ちが伝わる。山笑う季語がぴったりで素直な句である。

《熊野伸二選》

一般の部・特選
 無言といふ言葉のありて春愁ふ     松山市 林 恵子

 人間関係は、言葉が介在して成立する。それが「無言=ものを言わない」なら、関係が壊れかけていることを示している。職場であれ家庭であれ、ものを言ってもえらえないのは一大事。恋人同士なら、さらに深刻。「なんとなくうれわしい」春愁よりも重大事かもしれない。

一般の部・入選
紙風船命突く音刻みけり          松山市 今岡美喜子

 紙風船の事を昔は「紙手鞠」「空気玉」と云ったとか。空気入れ口を結び、空気漏れを防ぐゴム風船と違い、紙風船は穴が開いたまま。突きながら空気を出し入れして遊ぶ。一定のリズムで「ポーン、ポーン」と突く音は、風船を生かす音であるとともに、風船で遊ぶ人の心臓が律動的に動く鼓動にも通じる。

戰なき空の高音や揚雲雀          松山市 三好真由美

 紙風船の事を昔は「紙手鞠」「空気玉」と云ったとか。空気入れ口を結び、空気漏れを防ぐゴム風船と違い、紙風船は穴が開いたまま。突きながら空気を出し入れして遊ぶ。一定のリズムで「ポーン、ポーン」と突く音は、風船を生かす音であるとともに、風船で遊ぶ人の心臓が律動的に動く鼓動にも通じる。

高校の部・特選
祖父の背の無言のままに冬怒涛  伯方高等学校 大田智代

 高校生の作者の祖父と云えば、古希(七十歳)を超えた年頃でもあろうか。島に生きてきた祖父は、寡黙な人なのだろう。しかし、作者は、祖父が何も語らなくても、人生の荒波を乗り越えてきた事を、背中が雄弁に物語っていると感じ、尊敬の念を抱いているのが伝わってくる。荒れ狂う冬の大波を示す「冬怒涛」が効いている。

高校の部・入選
届かない思い枯野の先は海    弓削高等学校 津國亜美

「思い」を伝えたい相手は、誰だろう?もし作者が恋い慕う人と仮定すると、思いが「届かない」のは、冬枯れの野のような索漠とした気分にもなろうというものだ。しかし「枯野の先」には命の母たる「海」がある。そこに無限の可能性、希望の光がある

狼のたましひ吠える余寒かな    広島高等学校 吉川創揮

 寒が開けてなお残る寒さを余寒と云う。春の訪れが逡巡するころ、作者は、思うことがままならない問題でもあって〝いらだち〟が昂じたのでもあろうか。叫び声をあげたくなっただ。しかも狼の魂で。日本の狼は、明治時代に絶滅したといわれる。凶暴、狡猾と恐れられた狼だが、弱肉強食の自然界で凛として生きた狼の魂こそ、現代の若者に必要かもしれない。

≪俳句一草庵・児童賞≫

しゃぼん玉見ている空のわらいだす  附属小学校冨岡大久杜

 次々と飛ぶしゃぼん玉を空が見ているというのでしょう。空が笑いだすという
言葉をよく思いついたものだと感心しました。空へ向って飛ぶしゃぼん玉を見ている本当に楽しいから自然に笑いが出るのです。(本郷和子)

田に水をはればよろこぶ春の雲    附属小学校冨岡志恵菜

「田水張る」と「春の雲」の季重なりや「よろこぶ」という感情表現は一般にはタブーであるが、それを力にして実にのびのびとした気持ちのいい句に仕上がった。 (小西昭夫)



2015年5月1日金曜日

『第10回俳句一草庵』の報告です!

和やかで楽しい「俳句一草風庵」を開催することができました。




結果報告をします。スタッフをいれて、約70人の人が集まってくれました。

その結果、次の句が大賞に選ばれました。


俳句一草庵大賞

 届かない思い枯野の先は海      弓削高校 津國亜美

松山市文化協会会長賞

どこからが私どこまでが枯野      伯方高校 重松英里南

一浴一杯賞

春三日月ブローチにして逢いに行く  松山市 長澤久仁子

柿しぐれ賞

紙風船命突く音刻みけり        松山市 今岡美喜子





俳句トーナメント表の各ブロックの3番目の句は、高校生の選抜句、⑫の3は、小学生の句。

高校生の句は、残らないかも知れないと予測していましたが、一回戦で勝ち残り24句の内

10句が高校生、小学生の句でした。

俳句一草庵大賞は、わざわざ瀬戸内海は弓削島から来てくれた津國亜美さんの手に輝きました。

「届かない思いの枯野の先の海」は、荒涼とした海なのか、枯の野の先の海に希望を探しているのか、議論がありました。海は黙して語りませんが、大きな世界に導いてくれました。

 会場に集まった人に、公開句会が始まる前に、「俳句一草庵大賞あてま賞」という選句をし

ていただきました。

 大賞を当てた人はいませんでした。松山市文化協会会長賞を選ばれた方が3人いました。

もう一つの大賞があります。それは、「村上護記念賞」です。

山頭火顕彰活動に生涯を託された村上護先生に捧げます。

 寝て覚めて死んでゆくだけ花菜漬   川越市 祐森水香










伯方高校・松山西高の俳句部の生徒たちがきたので、いろいろと喋っていただきました。



以下、俳句一草庵のスナップ写真です。


2015年4月27日月曜日

「第10回俳句一草庵」トーナメント表

第10回の俳句一草庵を 4月29日一草庵で開催します。

一人2句に限定し、俳句を募集したところ、370句が集まりました。

一次選抜句を72句選びました。
その内訳は、県内句 52句 県外句 20句 高校生の句は12句入ってます。 

県外句は、東京、千葉、埼玉、岐阜、長崎、新潟、那覇です。
高校生は、松山東、松山西、伯方、弓削、広島、飛騨神岡高校から投句がありました。




読めるでしょうか。会場へ参加した人に選句権があります。

72句を12ブロックに分類しました。三回戦の俳句合戦がはじまります。

①一回戦は、各ブロックより2句選抜。
 1句は、会場参加者の投票、挙手で選びます。
 残り一句は、選者の先生に残り五句の中より選んでいただきます。

②24句が選抜されます。4ブロックに分けて、4句に絞り込みます。
 この2回戦は、ディベートを行います。

③3回戦は、4句の中より「俳句一草庵大賞」を選びます。

④その他賞として「俳句一草庵大賞あてま賞」を創設、俳句トーナメントの始まる前に、投票用紙を配布し、大賞を予測していただきます。当選者には、記念品を差し上げます。


皆さん、是非参加を。貴方の選句眼を確かめてみませんか。



一草庵で句会をする松山西校生

2015年4月7日火曜日

「第16回山頭火俳句ポスト賞」を発表します。

第16回山頭火俳句ポスト賞』発表。

(投句期間は、26年11月1日~2月26日) 

 表彰式は、4月29日(祝・水)に一草庵で行います。
      
                                        
一草庵の「山頭火俳句ポスト」に投句された俳句は128句。
(内、県外句の数26句 東京猪江市、町田市、新潟上越市、千葉市、静岡市、奈良橿原市、吹田市、岡山赤磐市、兵庫篠山市、北九州市等)の投句の中より、各選者の先生に優秀句を選んでいただきました。)
               
                 
山頭火俳句ポスト賞

  大人でも子供でもないセロリかむ  松山市 岡崎唯(12歳)

【評】セロリ特有の香りが好みの分かれるところで、それが上五・中七のフレーズとうまく響き合う。また、セリ科の代表的な野菜と言えば、パセリもあるが、単なる料理の飾りのパセリではなくセロリとしたことで、長さや色などから大人でも子供でもない一種の主張みたいなものもみえてくるし、噛むという行為で、宙ぶらりんな時期を咀嚼しているような感じもする。(白石)
 

山頭火一浴一杯賞

  相聞歌降りては消ゆる春の雪    松山市 丹下恵美子

【評】相聞歌は万葉集の和歌分類の一つで男女の恋愛の歌からなる。春の雪の美しく淡く悲しいまでにすぐに消えるなんとも切ない恋の様を一句にして成り立っている。作者は男性か女性か気になるところだ。(本郷)


小西昭夫・選


【特選】 

 大人でも子供でもないセロリかむ  松山市岡崎 唯(12歳)

【評】思春期に入ったのだろう。自分は大人でもないのだけれど、あきらかに子供でもないと意識する時期である。セロリだって食べられるのだ。セロリ好きの子供はあまりいないのかもしれないが、
「セロリ」でもはや子供ではないことを象徴したのだ。思春期の自分を客観的に眺めていることが素晴らしい。

【入選】

 一人より二人がいい赤とんぼ      松山市 楠本武

【評】人間だから「一人より二人がいい」と思うこと、「二人より一人がいい」と思うこともあるだろうが、「赤とんぼ」に取り合わせるには「一人がいい」では淋しすぎる。やっぱり、「二人がいい」。


白石司子・選

【特選】

 相聞歌降りては消ゆる春の雪      松山市 丹下恵美子

【評】春の雪は牡丹雪になることが多く、淡く消えやすいものであるが、それを「相聞歌」と取り合わせたのが、この句の手柄。上五と中七・下五との取り合わせによって、美しく、そしてはかない相聞歌、また、そういった歴史などが思われる。

【入選】

 紅葉して山の放心始まりぬ       東京都国立市 吉村春風子


【評】古来、多くの詩歌に詠まれてきた桜と紅葉。でもやはり「放心」にふさわしいのは紅葉ではないだろうか。山一面の紅葉によって、放心が始まったのは、山だけでなく、作者自身でもある。


本郷和子・選

【特選】

 雪降りてやさしくなりし軍艦岩          松山市 村上邦子

【評】久万高原・御三戸嶽の軍艦岩のことだろう。雪降るとその雄々しいまでの存在感が不思議にやさしく見えたのだ。次々と降りしきる雪に岩までも消えそうなほどの景であったのか。目に浮かぶようである
。
【入選】

 春雷や我が生き様のよみがえり       松山市 山本こうじ

【評】夏の雷ほど激しさはないものの、一~二回鳴る雷に、自分の来し方がふっとよみがえったのか、それとも、今現在の生きざまを雷によって、思わず感じることがあったのか、いづれにしろ作者の心の中に雷が一つ落ちたようだ。


熊野伸二・選

【特選】

 真鶴の意に添はざれば歩まざる      松山市 西野周次

【評】石田波郷の名句に「吹きおこる秋風鶴をあゆましむ」がある。この句では、秋風が鶴に歩みを促している。が、真鶴(冬の季語)には意思があって、意に添わなければ歩かないーと作者。両句とも、自らの意思を鶴に仮託していると読める。波郷は俳句結社「鶴」を起こした。真鶴の作者は、人の意見に左右されない強さを示している。

【入選】

 冬麗の海辺ことこと一輌車            東温市 井門敬之

【評】JR予讃線の海岸回りの景が目に浮かぶ。冬には豊後水道から吹き込む西風で、荒れることもある伊予灘だが、冬麗で波静かな日も多い。その海辺を一輌車が走る。「ことこと」が、いかにものんびりした雰囲気。世は総じて忙しすぎる。そんなに急いで何処へ行く?余裕を以って生きましょう。

一草庵児童賞

 太宰府の鉛筆二本使い初め    松山市 岡崎 唯(12歳)

【評】その鉛筆は学問の神様、菅原道真公を祭った大宰府天満宮のもの、書初め、筆初めは新年の季語となるが「使い初め」であっても、鉛筆で書く使い初めで在るから良しとしたい、「大宰府」がこの句のポイントである。よく勉強する子どもに違いない。(本郷)
 



2015年3月17日火曜日

「第10回俳句一草庵」の俳句募集中!

公開俳句大会「第10回俳句一草庵」を開催します。

山頭火終焉の地・一草庵での公開俳句ライブです。

山頭火の俳句には、こだわりません。
五・七・五であってもなくても
季語はあってもなくても OKです。
自由な心で、自然のリズム感あふれる俳句を
あなたも作ってみませんか。


公開俳句大会「第10回俳句一草庵」は、
         平成27年4月29日(祝・水)。
         (開催時間:13:00~16:00)
 松山市御幸1丁目の「一草庵」で開催します。





 【俳句募集要項】

  ・ハガキ、FAXに1枚に一人2句まで(未発表作品)。
 ・住所、氏名、年齢、電話。小中高生は学年を明記。
 ・有季、定型・自由律のジャンルは問いません。
 ・投句用紙には、こだわりません。

 〈投句締切〉 4月13日(月) 〈投句料は無料〉

 ・各俳句賞は、一次選考の中より、当日公開選抜します。
 ・入選句は新聞に掲載、記念品あり。


 【応募先】  〒799―2651
         松山市堀江町甲1615―3
         NPO法人まつやま山頭火倶楽部 

                      電話 090‐6882‐0004
                    FAX 089‐978‐5959      

  一草庵ゆかりのフランスの方、台湾の方、韓国の方、投句お待ちしています。
  メールで、お受けいたします。
      メールアドレス ta87435@yj8.so-net.ne.jp



2015年3月13日金曜日

「3月10日の山頭火の日」を楽しんで!

 一草庵で「3月10日の山頭火の日」を楽しみました。

それでは、その模様を紹介しましょう。愛媛大学の留学生が来てくれました。

一草庵は、「国際交流の場」に早変わりです。

お餅つき、お茶会もエンジョイしていただきました。

日舞の先生は、村田英雄の唄のあわせて、山頭火を踊ってくれました、一同拍手喝采。

以下、スナップでご鑑賞を。トータル60人以上の方の来庵がありました。

山頭火さんも、関東大震災に遭遇しています、一緒に東北大震災の方々のご冥福を祈りました。
愛媛新聞の武田記者が取材してくれました。

                       着物姿の留学生
 

            <餅つき風景・松山在住の東北震災者へ差し上げます>        
  


<踊りは、美空ひばりの「川の流れのように」>

山頭火の句「濁れる水の流れつつ澄む」に和して、踊ってくれました。


村田英雄の唄にあわせて、山頭火を踊る横山妙蓮さん


                    一草庵でのお茶会です。