今週の山頭火句

今週の山頭火句 あざみあざやかにあさのあめあがり  山頭火

2018年5月14日月曜日

公開俳句ライブ「俳句一草庵」の放送、愛媛CATVで。

 4月29日開催された「第13回俳句一草庵」が愛媛CATVで、5月15日から放送されます。ご覧ください。



「俳句一草庵」の新聞報道です。

愛媛新聞掲載の「俳句一草庵」の記事です。
紹介します。



2018年5月7日月曜日

『第13回俳句一草庵』で選ばれた俳句!



 4月29日山頭火終焉の地の一草庵での公開俳句大会で選ばれた俳句です。

『第13回俳句一草庵賞』
(開催日 平成30年4月29日)


俳句一草庵大賞
うららかにまだ九十と答えけり    松山市 丹下ひろし        
松山市文化協会会長賞 
佐保姫やしまなみ海道突っ走る    松山市 太田辰砂      
山頭火一浴一杯賞(水口酒造協賛)
とめどなき愚痴とめどなき飛花落花    松山市 岩崎美世  
山頭火柿しぐれ賞(白石本舗協賛)
ふらここを跳んで降りる子真似する子    松山市 大川忠男
村上護記念賞(水内慶太選)
海市より熊野伸二といふ漢      千葉県市川市 執行 香
  俳句に於いて固有名詞、ことに人名は広く深い。「熊野伸二」さんは、放浪の俳人種田山頭火が晩年の三七七日を過ごした一草庵を拠点に発信する、「NPO法人まつやま山頭火倶楽部」の理事長として、一草庵に松山に俳句愛好家を案内し山頭火の顕彰活動にかかわった。定住に根を下ろした漂泊の詩人種田山頭火を世に送り出した、ベストセラー『放浪の俳人山頭火』は著者村上護の名著だ。いわゆる放浪の俳人山頭火を語るに、村上護そして熊野伸二は欠くべからざる二人である。改めて「海市」すなわち蜃気楼が生み出した、漢たちといえる。





《水内慶太選》
一般の部特選
ホーキング帰天春塵宇宙塵   伊予郡松前町 櫻 疑落差
  宇宙物理学者のスティーブン・ホーキング博士が、この三月に亡くなった。ホーキングは二一歳のとき、運動ニューロン疾患と診断された。これは筋萎縮性側索硬化症(ALS)で、余命数年と宣告された。その後五〇年以上たった今、世界最先端の物理学者であり、ブラックホール研究者として、『ホーキング、宇宙を語る』の著者をもっている。ホーキングが天国に召されるとき、「春塵」のみならず「宇宙塵」まで身に纏っていることだろう。       

一般の部入選
 軽口を巻き込んでゐるキャベツかな   松山市 今岡美喜子
  キャベツの芯を抱くように、巻き込むように育んでゆく。「軽口」の反対「口重」だが、口重は訥弁ともいえ、話し方がつかえたりして、なめらかでないこと。いっぽう「軽口」は語調が軽快で、滑稽めいて面白味のあることであり、「キャベツ」が「軽口を巻き込む」とは春の本意に敵う。明るく楽しい句といえる。

高校の部・特選
春の月カバのもったりした浮力   松山東高等学校 中山寛太 
「春の月」は朧の月とも考えられる。「春」の水気を湛えて漂う「月」のごとし。月下の一水のカバの「もったり」感は、大きな浮力を生む。月の満ち干、月の引力は見えないものを見させてくれる。あの大きな重い「カバ」を水中では「もったりと」浮かべている。「春の月」の朧が、そう思わせてくれる。
      
高校の部入選
 戦場の赤子の命春夕焼け      飛騨神岡高等高校 小木曽 都
  最近のきな臭さは、時事俳句の趣が漂ってくる。画像や言葉に氾濫する視覚・聴覚から、作者は実感したのだろう。痛ましい思いが「夕焼け」からひしひしと及んでくる。こういう時事俳句はシンパシーが大事だ。   

《小西昭夫選》
一般の部・特選
 捨てて拾ふ              松山市 堀口路傍
  年を重ねると、「いかに捨てるか」ということが大きな課題になる。しかし、捨てようとして捨てられないのが人間でもある。一度捨てたものを又拾ってしまったりする。捨てきれないのだ。そんな人間の業を上手く詠んでいる。碧梧桐の「桜活けた花屑の中から一枝拾ふ」や山頭火の「捨てきれない荷物の重さ前うしろ」の句などが自然と思い浮かんだ。

 一般の部・入選
  チューリップ新入生の不安顔  松山市 亀岡修士(小学4年)
  チューリップという花は、細見綾子の「チューリップ喜びだけを持つてゐる」の句のように、喜びや希望を読むことが多い。ところが、この句はチューリップで新入生の不安を詠んでいる。そこが出色だ。とは言え、その不安がやがて喜びに代わるだろうこともチューリップが暗示している。

高校の部・特選
  ぶらんこの宇宙へまっすぐに届く  松山東高等学校 三瀬未悠
  ぶらんこに乗っていると、自分にも翼があるような気持ちになる。その感覚を「宇宙へまつすぐに届く」と表現した。ぼくなどにはこうは詠めない。脱帽である。
大人が失った若々しく瑞々しい感覚がしっかり書きとめられている。

高校の部・入選
   春の浜私と貴方二人だけ        吉城高等学校 築山 凛
  恋人同士だろうか。そうで無いかもしれないが、少なくとも作者は好意を抱いている。これから始まる恋かも知れない。誰も居ない春の浜に二人だけの喜び。春の浜という大きな景色の中に二人だけしかいない不安。若者らしい気持ちのいい句。

《白石司子選》
一般の部・特選
かげろふの湖ゆく路面電車かな          東京 染井かしこ
もしかしたら、「日射のために熱せられた地面から水蒸気が立ちのぼっている現象」「かげろうの湖」と捉えただけなのかもしれないが、「路面電車」との取り合わせがもっと多くのものを感じさせる。かげろうのようにはかない湖をゆく、この世からあの世につながる路面電車、乗車しているのは作者、いや、いまは亡き人々だろうか。

一般の部・入選
海市より熊野伸二といふ漢              千葉県市川市  執行香
  前理事長・熊野伸二氏により、「まつやま山頭火倶楽部」とのご縁をいただい「男」
ではなく「正義漢」・「熱血漢」の「漢」という形容が一番ふさわしい人物である。
お世話になりっ放しで逝かれたので、「海市」より還ってくださればきちんとお礼も言
えるのにと思う。

高校の部・特選
サーブ打つ部活三昧春休み     飛騨神岡高等学校 佐野絢音
夏休みや冬休みと違って宿題等の束縛の少ない春休み。普通ならば思い切り遊びたいところなのだが、君の春休みは「部活三昧」。上五の「サーブ打つ」が、さまざまな誘惑を断切る君の決意とも受け取れ、これも青春だと思う。

 高校の部・入選  
 風光る的に一射の武道場       吉城高等学校 大森玲依
「的に一射」。その瞬間に静まり返った武道場、また、君の緊張感は一気に解れ、まさに「風光る」なのである。俳句は瞬間を捉える詩とも言われるが、青春の象徴とも思われるワンシーンを見事に切り取った臨場感のある句となっている。

《本郷和子選》
一般の部・特選
海市より熊野伸二といふ漢             千葉県市川市  執行 香
海市とは蜃気楼のこと。気温の差から、空気の密度が変わり光が屈折して、空中や海上に物が見える現象をいう。この俳句一草庵に基礎を作った方は、山頭火倶楽部の理事長であった故熊野伸二さんである。関係者の人たちにとって、今一番会いたい人が熊野伸二さんであろう。できることなら、海市に現れてほしい。そして、皆の前で、ここで又、挨拶をしてほしい。そういう心のこもった句である。

一般の部・入選
ふるさとよ父よ弟よどぶろくよ          松山市  河村 章
呼びかけの「よ」詠嘆の「よ」が四回入っている。ふるさとにもう父はいない。弟は今もいるのか。そして、生まれ育った村のどぶろく(濁酒)は、今でも作られているのか。郷愁の一句は、読む者の心にふるえるような感動を与える。畳みかける語によって、作者の人生感さえ感じとれるのである。

高校の部・特選
  たんぽぽや無人駅で降車する          水沢高等学校 外山歩佳
   この句は、たんぽぽが人間のように電車に乗っていて、無人駅で降りるというのである。この発想はユニークで新鮮。ひょとして、今降りた人はたんぽぽの化身かも?とすればもっとおもしろく小説にでもなりそうだ。虚と実の間をうまく取り入れた句になった。

 高校の部・入選
  春の月カバのもったりした浮力     松山東高等学校 中山寛太
  中七の「カバのもったり」の表現がまずは巧み。カバはあの大きな重さでも浮くのだから浮力があるのだろう。「もったりした浮力」は月並みな句でないことの証。季語に「春の月」をいれたことも、ふわっとした、おぼろ月のような景が、もったり感と合致して素 晴らしい。

《まつやま山頭火倶楽部賞》
一般の部・特選
  囀の近づいてくる一草庵             東京 白石正人
  一草庵への小さな坂道を歩む作者の姿が見える。そして山頭火に対するその思いが囀りに調和する。囀りは求愛の宣言でもある。さまざまな思いが浮かんだであろうに、すべてを省略。何も化粧することなく、有のままを素直に詠んでいるが、作者の呼吸まで生き生きと感じる。単一化の修練ができている。

高校のの部・特選  
ほろほろと零れる時間三月来る       伯方高等学校  仲田彩乃
何が「ほろほろと零れる」のだろう。それは過ぎゆく時間、「はっと」三月の生まれる
のを感じた作者の姿が目に浮かぶ。報告ではなくて、思わず口に出た眼前の詩
(ポエジー)だ。三月は冬から解放される喜びと希望の月だ。
 伯方高校の生徒たち

埼玉からの参加者


2018年4月30日月曜日

公開俳句ライブ「第13回俳句一草庵」の

 参加者に喜ばれて、公開俳句ライブ「第13回俳句一草庵」を楽しく終了しました。
参加者によって選定ばれた句を紹介します。
後日、愛媛CATVでライブ放送してくれる予定です。

 俳句一草庵大賞
 うららかにまだ九十と答えけり    丹下ひろし

 松山市文化協会会長賞
 佐保姫やしまなみ海道突っ走る     太田辰砂

山頭火一浴一杯賞
 とめどなき愚痴とめどなき飛花落花   岩崎美世

山頭火柿しぐれ賞
 ふらここを跳んで降りる子真似する子  大川忠男

村上護記念賞(水内慶太選)
海市より熊野伸二といふ漢       執行 香








2018年4月28日土曜日

4月29日(祝)開催の第13回俳句一草庵選抜72句です。



 4月29日開催される公開俳句ライブ「俳句一草庵」の一次選考俳句72句を紹介します。
当日、会場に参加の方は、選句権があります。
そして、「俳句一草庵大賞あてま賞」に応募していただき、第13回俳句一草庵大賞を
当てられた方には、山頭火の酒「一浴一杯」を差し上げます。
是非、ご参加お願いします。

第13回俳句一草庵トーナメン表


2018年4月18日水曜日

『第25回山頭火俳句ポスト賞』の発表!

『第25回山頭火俳句ポスト賞』を発表します。

山頭火俳句ポストの表彰も25回を迎えます。                 
表彰式は、四月二九日(祝・日)「俳句一草庵」開催日におこないます。
俳句ポストへ
平成29年11月1~30年2月28日に投函された句です。
                                                   
  一草庵の「山頭火俳句ポスト」に投句された俳句は、116句。
 (内、県外句は7句。) 埼玉県坂戸市、防府市、アメリカ、オーストラリア等、
  投句の中より、各選者の先生に優秀句を選んでいただきました。 




山頭火俳句ポスト大賞
風光る坂のぼりきり兜太消ゆ   松山市 田村七重
【評】金子兜太は。俳句界に大きな足跡を残し、人生を全うした人である。
「坂のぼりきり」の語でその偉業を表現している。「風光る」の季語は別
として動詞が目につくが、それでもこの一句は兜太の人生、生きざま、俳
句を讃え、偲び悼む心が伝わる句である。(本郷)

山頭火一浴一杯賞
 授かりしちんぽこの子と初湯かな    松山市 丹下恵美子


【評】明らかに山頭火が湯田温泉で詠んだ「ちんぽこもおそそも湧いてあふ
れる湯」を下敷きにしている。子供とも孫とも読めるが男の子を授かった初
湯の喜びが溢れている。山頭火への見事な挨拶句である。(小西)

山頭火柿しぐれ賞
tall winter tree leaves fall of old life
 昔の人生捨てるかに落葉し冬樹   USA Julian Martinez  
   
【評落葉し、孤高のごとく作者の眼前に聳立している冬樹。「落葉」を擬人化した「昔の人生捨てるかに」は、作者の理想とする生命の在りようそのもののようでも
 あり、泰然自若とした「冬樹」に思いの集約をみる。(白石)

小西昭夫選

【特選】
 シーツ干す冬青空の真ん中へ     松山市 渡部新子


 【評】久しぶりの冬青空にシーツを干したのだが、そのシーツは冬青空の真
ん中へ干したのだ。何とも大胆な表現だが、それが開放的で気持ちがいい。
このシーツよく陽を吸い込んだことだろう。

【入選】
秋風の玄関へ落葉を運ぶ        松山市 宮森足歩
【評】この句は十七文字だが、五七五のリズムではない。五五七、むしろ五
五四三のリズムの句と読んだ方がいいだろうか。季語も二つあるが意味は
明快。自由律の句として面白い。

白石司子選

【特選】
椿まつり金子兜太の逝く朝     松山市  亀井崇司

【評】我が師・金子兜太。4月14日・15日に開催される予定だった秩父
俳句道場への申し込みを1月初めに済ませ、指導していただくのを楽しみ
にしていたが、それを待たずに逝去されてしまった。俳句人生の象徴のよ
うな戒名「海程院大航句極居士」。
春を呼ぶはずである「椿まつり」であるが、兜太先生がお元気なうちに「海
程賞」をいただけたことが私にとってせめてもの救いであり、この句に出会
えたおかげで「椿まつり」の度ごとに師を思い出すだろう。下五「朝」で止
めたことが訃報に対する作者の驚きであり、感情をストレートに表出せずに
省略を効かせた句。

【入選】
今日は青空だったよ一草庵   埼玉県坂戸市 中川博郎

【評】一草庵、いや、山頭火に呼びかけているような句である。いろいろとあったけど「今日は青空」。そう、前向きに生きないとね!嘗て、兜太先生が「口語は俳句の幅を広げる」と言われていたが、この句も「だったよ」の口語がいい!元気印にさせる句だ。

本郷和子選 

【特選】
啓蟄やスリッパ箱は空っぽに     松山市 橋本伎代子
【評】啓蟄は、土中に冬眠していた虫たちが穴を出てくるという意味である。
 スリッパ箱が空っぽということは、スリッパをはいた人たちが皆、どこかの部屋に
 行ったということ、啓蟄の虫たちが出るように、人間にも動きがあった。
 一句は俳諧味のある句となった。

【入選】
tall winter tree leaves fall of old life
 昔の人生捨てるかに落葉し冬樹   USA Julian Martinez

  【評】「過去捨てるかに落葉する一樹」であればいい句となるが、英語で
「ウインターツリー」あるから冬樹と訳したのであろう。
季語が二つ入った点を除けばおもしろい発想の句である。

まつやま山頭火倶楽部賞
冬銀河夜間飛行の灯を飲めり      松山市 岡崎
【評】「夜間飛行の灯を飲めり」言葉にならぬ一緒の思いをすっきり
と言い切ったところに、悠久の時空を超えた大きな世界が見える。
小さな俳句の土俵の中で飛躍し過ぎる表現は作意が鼻につくが、揚句
からは写生を超えた美しさを“はっと”感じる。あの城達也の音楽番
組・ジェットストリームのナレーションを思い出さずにはいられない。
「夜間飛行の夜の静寂(しじま)のなんと饒舌なことでしょうか」。
   冬の星座に吸い込まれる貴女の「今」の感動が伝わる。