今週の山頭火句

今週の山頭火句 この道しかない春の雪ふる  山頭火

2019年3月14日木曜日

一草庵リニューアル10周年記念俳句大会「俳句一草庵」のお知らせ

 投句締切は、4月10日(水)で~す。
今年は、一草庵リニューアル10周年記念
    山頭火来松80年記念
    松山市制130周年記念を迎え、一草庵でも記念事業を行います。
第一弾として、例年開催の「俳句一草庵」を記念俳句大会として発展的に開催します。
松山市の支援をいただき、県外の著名な俳人に選者になっていただきました。
選者を紹介します。(アイウエオ順、敬称略)
       <募集句選者>
        池田 澄子(船団、豈、面)
        櫂 未知子(群青、銀化)
        神野 紗希(現代俳句協会)
        佐怒賀正美(秋、天為)
        鶴田 育久(層雲)
        水内 慶太(月の匣) 
       <募集句・当日選者>
        小西 昭夫(船団、子規新報)
        白石 司子(海原)
        髙橋 正治(十六夜柿の会)
        福谷 俊子(花信)
        本郷 和子(新風)




    10周年記念俳句大会「俳句一草庵」を開催します

     山頭火終焉の地・一草庵での公開俳句ライブです。
    有季定型、自由律のジャンルは問いません。
    あなたの投句をお待ちしています。

   10周年記念俳句大会「俳句一草庵(第14回)」は、
         平成31年4月29日(祝・月)
         (開催時間:13:00~16:00)
 松山市御幸1丁目の草庵広場」で開催します。

【俳句募集要項】

  ・ハガキ1枚に一人2句まで(未発表作品)。
 ・住所、氏名、年齢、電話。小中高生は学年を明記。
 ・有季、定型・自由律のジャンルは問いません。
 ・投句用紙には、こだわりません。

 〈投句締切〉 4月10日(水) 〈投句料は無料〉

 ・各俳句賞は、一次選考の中より、当日公開選抜します。
 ・入選句は新聞に掲載、記念品あり。



一草庵に、ポスターを掲示しましたら、早速に投句がありました。


2019年2月28日木曜日

ドナルド・キーンさんを偲んで

 ドナルド・キーンさんが、2月24日に亡くなられた。96歳。
松山へ来てくれた日のことを思い出す。
2009年10月11日、全国山頭火ファーラムにて、子規記念博物館で
特別記念講演をしていただいた。
 演題は「松山ゆかりの文人たち」~子規・漱石・遼太郎、そして山頭火~
山頭火のことは、まだ勉強不足なので、”松山ゆかりの文人”に含めてお話しますととのことで承諾いただいた。
 子規博の前で、お迎えした、頭も深く深くさげ、微笑んでくれた姿を今も思い出します。その時の収録DVDが見つかったので、キーンさんを偲んでいます。
「晩年松山で過ごしたことは、偶然ではなく正岡子規とのつながりを示すものです」と締めくくられました。
そして、
道後のいい温泉に浸かり、いい旅館に泊めていただいでことを感謝しますと言われたのを覚えています。
 質問に答えて
山頭火の句の翻訳は、言葉は難しくないからやさしいです。翻訳して詩なるかどうかが問題です。詩にするためには言葉の選択が重要です。
だから、山頭火の翻訳は一番やさしくて、一番むつかしいと言ったほうがいい、と。






2018年12月19日水曜日

山頭火折本第1句集『鉢の子』(署名入り)発見記事

信濃日日新聞の2018年1月15日の記事が(記者、吉尾さんから)届く。
”山頭火の署名入り第一句集
安曇野の愛好家 鉢の子初版本入手”と紹介。
 句集署名の字句は、「一鉢千家飯」。
禅語で、一鉢千家飯 孤身万里游
    「托鉢をしながら、あちこちでお米をいただき、そのおかげで私は一人、こうし
    て僧侶を生きていくことができる」と説明される。

 山頭火は、草庵を結ぶために句集刊行を考える。
句集名は”破草鞋”にしようと考えていたが、井泉水の助言で”鉢の子”とする。
井泉水は、山頭火の選んだ134句の内、55句を捨てて88句を選ぶ。
発行者は、木村緑平、装丁は陶芸家・内島北朗が携わっている。
 昭和7年6月20日「鉢の子」を刊行。
だけれども、7月7月5日の「行乞記」に次のように記す。
「句集『鉢の子』がやっとできた、うれしかったが、うれしさといっしょに失望も感ぜずにはゐられなかった、北朗兄にはすまないけれど、期待が大きかっただゞそれだけ失望も大きかった、装丁も組方も洗練さが足りない、都会染みた田舎者!といつたやうな臭気を発散してゐる(誤植があるのは不快である)、第二句集はあざやかなものにしたい!」
内島北朗は、井泉水の後「層雲」を継承。京都在住で山頭火も訪ねている、陶芸家として期待されていた。
第二句集「草木塔」(昭和8年12月3日)以降は、大山澄太が中心となって刊行する。
見返しには、山頭火が句を揮毫する。


 その他、オークションされた山頭火の折本句集。
内島北朗の軸、参考に。


2018年11月30日金曜日

「阿波路の山頭火」

 徳島県立文学書道館で「阿波路の山頭火展」(平成30年11月10日~平成31年1月20日)が開催されている。
企画・展示したのは、亀本美沙さん、よくまとめてくれました。

山頭火倶楽部で研修をかねて来館。
 山頭火は、昭和14年10月1日、
  ひよいと四国へ晴れきつてゐる
と詠み、松山を死場所と決めて来松しました。やっと見つけた野村朱鱗洞の墓参をすませて、10月6日四国連路へ旅立つ。(10月6日から11月21日の47日間)
 小豆島の放哉の墓を訪ねて、11月26日結願・大窪寺を詣でる。山頭火句碑あり。
  ここや打留の水のあふれてゐる



阿波路の記録は、句日記と遍路日記(11月1日~3日)を残している。

10月26日、木村緑平に葉書を出している。
 いそぐやうな、いそがないやうな気分で歩いてゐます、これから阿波路に入りますが、何となく感傷的になって困ります、実ハ旅費が切れ、そして行乞は思うにまかせず、松山へ出るまでお立替願えませんでせうか、どうぞどうぞよろしく。
(阿波撫養局留置で)
阿波撫養局とは、今の鳴門郵便局である。
山頭火は、10月27日~11月3日(8日間)阿波路を遍路する。
野宿を繰り返しながらの撫養街道の山頭火の句がいいので紹介しておく、

 月夜あかるい舟がありその中で寝る
 泊めてくれない折からの月が行手を
 銀杏いろづくその下でお昼にする
 枯草しいて月をまうえに
 まどろめばふるさと夢の葦の葉ずれ
 旅空ほつかり朝月がある

山頭火が11月1日に立ち寄った「阿波十兵衛屋敷」を見学し、帰路に着く。



2018年10月19日金曜日

「山頭火一草庵まつり」の取材

「山頭火一草庵まつり」には、愛媛新聞、愛媛CATV、eat愛媛朝日テレビが
取材に来てくれました。

愛媛新聞の記事を紹介します。


「昭和の良寛」北濱普門さん関連の写真、作品を併せて紹介します。













「山頭火一草庵まつり」です。

山頭火の命日(昭和15年10月11日)を記念しての
「山頭火一草庵まつり」の行事として、次のようなイベントを行いました。

①山頭火一草忌
 母を愛した山頭火の句
「うどん供えて、母よ、わたくしもいただきまする」に因んで
うどん供養を行いました。

②第26回の山頭火俳句ポストの表彰式

③第9回山頭火検定の実施
 9名の方が、合格しました。

④山頭火に捧げる天女の舞
 山頭火の句
 「もろもりもりあがる雲へ歩む」イメージして踊っていただきました。
芒を舞台に飾りました。

また、一草庵の中では、昭和32年10月から昭和34年5月まで、一草庵の庵主だった

「北濱普門さん」の版画作品を展示しました。

昭和の良寛と慕われた禅僧です。

以下、写真でその模様を紹介します。















「第26回山頭火俳句ポスト賞」の表彰です。

山頭火俳句ポストの表彰も26回を迎えす。 

表彰式は、10月8日(祝・月)「山頭火一草庵まつり」開催日

におこないました。 

平成30年3月1~8月31日に俳句ポストに投函された句です。
               
                                              
一草庵の「山頭火俳句ポスト」に投句された俳句は、182句。
(内、県外句は11句。)札幌市、群馬市、町田市、京都市、豊中市、姫路市等。
各選者の先生に優秀句を選んでいただきました。 
                                     
  



山頭火俳句ポスト大賞
風と遊んで小川のさざ波        京都市 坂口智之
   【評】風と遊んでいるのは小川だろうか、作者だろうか。どちらにも読めるが、
 どちらにしろ山頭火の放浪の人生が重ねられているだろう。放浪の中で山頭火が得た
 束の間の安らぎである。しかし、「さざ波」は小さな争いごとの比喩にも使われる。安らぎの先にある
 人生のわずらわしさも予見させ懐の深い句になっている。(小西)
       (京都からご夫婦で、表彰式へ来てくれました、こちらの方が、感謝です。)

山頭火一浴一杯賞
 だまし絵のような蛙の国にいて      松山市 岡崎 


【評】「だまし絵」、「蛙の国」から想像される蛙、兎、猿などを擬人化した鳥獣

戯画の世界、また、松尾芭蕉の「古池や蛙飛び込む水のをと」、小林一茶の「痩蛙

まけるな一茶是に有」、金子兜太の「牛蛙ぐわぐわ鳴くよぐわぐわ」などの句。

掲句のような「蛙の国」に行けば、蛙と戯れている今は亡き俳人たちに会えるだろ

うか。(白石)


山頭火柿しぐれ賞
誰しもの子宮の記憶春眠し       松山市 岡崎和     
【評人間は生まれてくるまで、だれもが母親の子宮の中にいた。その記憶は現実に

あるはずもないが、春眠の中では、その心地良さが即、母親の胎内にいて羊水に浮いて

いる感覚と想像したのであろう。季語によって一句は秀句となった。(本郷)

小西昭夫選
【特選】
 恋は待つもの紫陽花枯れても    札幌市 伊藤哲也

【評】「恋は待つもの」という断定がいい。しかも「紫陽花が枯れても」待つのだ。


ひたすらに待つ。九十九パーセントは成就しない恋の一パーセントに掛けるのだ。

切ないがこれが恋というものの本質かもしれない。

【入選】
あじさいの白を剪る眩しさも剪る  松山市 田村七重

 【評】庭にたくさん咲いたのは白いあじさい。そのあじさいを活ける。光がさしていたのだろう。あじさいを剪るとき眩しさを剪るように感じたのだ。そこがお洒落。白がよく効いている。
【入選】
ふるさとをいつぱい喰つて夏終わる 四国中央市 星川さと子
【評】帰省子が詠んだ句ともそれを見ていた親御さん等が詠んだ句ともと れるが、
どちらにしても帰省子はふるさとの料理や人情や風土を腹一杯食ったのだ。
帰省子にとって故郷を去ることは夏が終ることなのである。

白石司子選

【特選】
 骨堂は深海桜の実を踏めり     松山市  岡崎 唯
【評】春に美しく咲く桜の花はやがて散り、「葉桜」から、「桜の実」へと結実、
また、人間もいずれは骨となり、「骨堂」へという「生」と「死」、また、骨堂は
「深海」という「暗」から、桜が実となる「明」の世界へという、対比の見事な句で
ある。そして、「踏めり」という行為からは、故人の人生そのものを踏み締めている
ような、噛み締めているような感じも伝わる。

【入選】
 山頭火になった気分で山登り     松山市 石田心美(14歳) 
【評】海よりは山が好きだった山頭火。いつもとは違って「山頭火になった気分で山登り」して君は何を見、何を感じたろうか。「分け入つても分け入つても青い山」、「もりもりもりあがる雲へ歩む」というような世界だろうか。無季句だが、一句全体からは、明るい春、そして、夏を感じる。

【入選】
 持てあますセンチメンタル夏の果て   松山市 黒河陽子 
【評】ある程度の年齢に達すると、暑くて長い夏もやっと終わったという安堵感みたいなものの方が強いが、掲句の作者は、終わって欲しくない夏が過ぎ去ったことに対するセンチメンタルを持て余しているのである。それは過ぎ去ってしまった青春への感傷でもある。

本郷和子選 

【特選】
 炎天に息を止めたる草木かな       松山市 古澤登美子
【評】この夏の猛暑では、外にでることさえ苦痛であった。草や木の植物は炎天下でじっと耐えているのであるから、息を止めたいほどの暑さであったろう。息を止めたと断定して句にした。植物は息を止めても枯れはしないのが俳句である。


【入選】
だまし絵のような蛙の国にいて    松山市 岡崎 
  【評】だまし絵のような国は蛙の世界なのだろう。はて、だまし絵となると、
   どんなものなのか不明であるが、作者の頭の中に、想像上では、あやふや
で、とらえどころのない、確定できない図があるのだ。飛躍した発想力で
作者は蛙と同化した。
【入選】
どの山も丸丸太り笑っとる      松山市 深津健次 
  【評】今の世に山頭火がいたらこのような句を作ったかも知れない。春の山がふっくら、丸く、木々の緑を太らせて、生き生き大らかに見える景である。山笑う季語を上五と下五に離しているが「笑っとる」の語は、伊予弁のおもしろさで締めた。

髙橋正治選 
【特選】
蛍の夜老婆の長きひとりごと       松山市 岩井悦子
【評】それぞれの運命に約束された生命の長さを生きる。努力も精進も限
界がある。小さき者に小さきままに自然の命がある。短いひとりごとでな
いがいい。
【入選】
高し眼鏡かけたりはずしたり   松山市 田村七重 
  【評】繰り返しながらも穏やかなその場の空気を味あわせる。不完全な視
  力を調整する秋の日々。見上げれば、ひろがる秋の空はどこまでも高く、爽快なり。
 【入選】
蜜豆と色を分け合う窓の風      松山市 岡崎天 
  【評】蜜豆は涼しい色とりどりの食べ物。窓の風と色を分け合う遊び心がいい。女性ならではという所がある。美しい光りも眼をつむっていては見えない。