「第17回俳句一草庵賞」を愛媛新聞が紹介・掲載してくれました。
遅くなりましたが、紹介をしておきます。
第17回俳句一草庵賞がきまりましたので、発表します。
コロナウイルス感染防止の関連で、一草庵で公開俳句大会を開催することはできませんでしたが、一人限定2句で486句応募投句がありました。俳句選者の先生と、俳句一草庵スタッフで各賞を決定させていただきました。皆様が楽しみとされていた公開俳句大会「俳句一草庵」についてのお知らせです。
俳都・松山として、Withコロナ対策として、松山の「ブランド・俳句」で、元気を取り戻そ
うと計画をしていましたが、関係者の人たちと相談の結果、相互判断をして開催を中止する
ことといたしました。
全国からの沢山の投句、有難うございました。
ひとり2句限定で、486句集まりました。
(投句締切は、4月13日でした。16日以降到着分は、山頭火俳句ポストほうへ投函させていただきました。)
一次選考の「俳句一草庵トーナメント表」ができましたので、公表いたします。
なお、各俳句一草庵賞は、選者及び事務局で選考して、4月29日に発表します。
「俳句一草庵」の投句締切は、4月14日(水)です。
投句料は、無料ですよ。
(全国の皆様へ! 投句届いています、本当に有難うございます。)
「第17回俳句一草庵」の俳句を募集します。
<<第33回山頭火俳句ポスト賞>>
山頭火俳句ポスト大賞
山笑う山から山頭火下りて来た 松山市 浅海好美
【評】「山笑う」明るい春となり、山から下りて来たのは小僧ではなく山好き な山頭火さん。「山笑う」「山」「山頭火」の「山」の繰り返しがリズムを生 み、童謡「おおさむこさむ(大寒小寒)」を思い出した。(白石)
【評】日本の秋、いろいろの草花を見出すが、その中で、はっきり秋の景色
を謂えてくれるのは、萩とススキである。日本の秋を象徴し代表するのである。
ちなみに、「萩がすすきが今日の道 山頭火」の句がある。(髙橋)
【評】俳句の世界では冬の山は「山眠る」、春の山は「山笑う」という。
冬の山は木々の芽吹きの準備などで何となくざわざわしてくる。
これが「山笑う」ということだが、冬から春への季節の変わり目には笑う
山と眠る山が肩を並べているというのだ。機知の句ではあるが、季節の移
り変わる感じを上手く表現している。
【評】「手押しポンプ」がいいなあ。水道をひねって汲む水とは違って、
手押しポンプには水を汲むための能動的なかかわりがある。それは手押し
ポンプを押すことだが、蛇口を捻るのではないかわりに汲んだ水や汲む人
に射す春日がしあわせを実感させるのであろう。
【評】春、北方に帰ってゆく鳥の姿が雲間に隠れるさまをいう季語「鳥雲に」
が効果的。もちろん整列しているのは墓地であるが、そこに眠るロシア兵たち
が列を調えて鳥を見送っているようでもあるし、兵たちのたましいも一緒に帰
ることが出来ればいいと祈っているような作者の心象もみえてくる。
【評】物事を調べるには様々な情報が氾濫しているインターネットよりも、やは
り辞書が一番確実だと思って「人生の意味」を調べようとしたのであるが、
やめてしまったのかもしれない。生きる意味の答えは本当に難しい。無季句で
あるが多くを語っているし、「引こうとした」という口語が一句を深刻なもの
にしていない。
【評】「身に入む」とは晩秋の季語になるが、元来、和歌に愛用された言葉で
「哀れ」を主調として用いていたが、俳諧では感覚的に感じ取って「冷気」を主
にして言う。秋冷の気を身にしみ通るように感じること。人には裏表があるこ
とが冷気のようにしみ通るのだ。
【評】発見の句である。トーテムポールの上に野球帽が投げてひっかかったのか、
又は、わざと乗せているのか。意外性のある情景を句にしている。冬晴れのうら
らかな日のんびりと歩いて、この景を見つけた作者の何気ない写生の句である。
浜崎むつみさんより、素敵なYou Tube『山頭火の世界』が届きましたので、
紹介します。ご覧になって、山頭火を偲び、一句詠んでみませんか。
会報「鉢の子」第51号を紹介します。
<目 次>
山頭火、転生の伊予路 渡邉 紘
感慨、一洵墓参 田中修司
繋がる縁 芳野友紀
山頭火82回忌法要
山頭火と朱鱗洞合同句碑建立除幕式
山頭火句集 草木塔【復刻版】出版
第32回山頭火俳句ポスト賞受賞者 太田和博
南郷庵と寒霞渓を訪ねて 穴吹 明
立派な山頭火と朱鱗洞の合同句碑が出来ましたが、後ろにあるコンクリートのブロック塀が
似合わないとのことで、仲間たちが手作りで竹垣の塀を作ってくれました。完成しましたの
で、紹介します。(令和3年11月3日)
『草木塔』復刻版は、山頭火関係者及び全国の都道府県図書館、松山市内の中学校へ
愛媛県下の高等学校、大学図書館へ寄贈をしました。
愛媛CATVさんが、市内中学校への『草木塔』復刻版の贈呈式を取材してくれていますの
で貼付けてみます。YouTubuで閲覧できます。
愛媛新聞、読売新聞も報道してくれました。
山頭火が、生前、昭和15年4月28日に、世に公に出した自選一代句集『草木塔』初版
本の復刻版をNPO法人まつやま山頭火倶楽部で出版しました。
(「伊予銀行地域文化活動制度」の助成金を受けて)
(その後出版された句集『草木塔』に、句の文字が間違って版があったからです。18句以上間違っいる『草木塔』もありました。)
山頭火は、いまも人々の心の中に生きていると思う。
”分け入つても分け入つても青い山”
この旅立ちの句を知らない人は少ないでしょう。世の人々は、さびしいけれどもあたたかな
人間味のある純真な山頭火の句に魅了されます。
現在、初版本は図書館でも見つけることが難しい本になっています。
山頭火ファンの皆さまへ
是非、書店でお求めになってみては、いかがでしょうか。
山頭火一代句集『草木塔』の書誌は、昭和十五年四月二十八日発行。部数は七百部、定価三円、発行所は東京の八雲書林。造本は四六版、紙上装本。表紙は貼付の題簽、「草木塔」の署名は木版手刷り。函付。口絵写真二葉。本文は唐紙二百八十頁。五号活字で一頁三句組み、収録句数は七百一句、と記されている。(村上護)
10月3日、山頭火の悲願だった野村朱鱗洞の句碑、かつて「柿の会」による昭和15年
10月11日の追悼句会で満場一致で決まっていた、山頭火・朱鱗洞の合同句碑、実現でき
ていなかったのですが、山頭火没後80周年事業の一環として、山頭火倶楽部で建立するこ
とができました。
コロナ感染防止に配慮しながらの除幕式でしたが、30人程度の人が集まりました。
当日は、「山頭火一草忌」「第12回山頭火検定」「第32回山頭火俳句ポスト賞表
彰式」も併せて実施しました。
句碑の場所は、護国神社万葉苑西、一草庵寄りにあります。
蟬しぐれ英霊しみじみここにゐたまふ 山頭火
(昭和15年8月29日早朝の句、参拝の句。字は、山頭火句日記より採る。)
へうへうと人らすぎゆけり風の中 朱鱗洞
(遺稿句集『禮賛』大正2年の句。自筆短冊より採る。)
山頭火の句、”蝉しぐれ”と”英霊”の取り合わせ、組み合わせの想像の妙に心打たれます。
”しみじみ”に山頭火の思いが伝わってきます。
朱鱗洞の句、100年前にスペイン風邪でなくなってしまった、朱鱗洞の声は聞こえて
来るような気がいたしました。
物に頓着せず、こだわらず”へうへうと”コロナ禍をすぎていこうよ・・・・。
一草忌記念写真 |
第12回山頭火検定 |
第32回山頭火俳句ポスト表彰式 |