今週の山頭火句

今週の山頭火句 旅のかきおき書きかへておく  山頭火

2020年9月30日水曜日

第30回山頭火俳句ポスト賞を発表します!

 「第30回山頭火俳句ポスト賞」



 


(投句期間 2020年3~2020年8月31日)                                              
表彰式は、10月11日(日)山頭火の命日「山頭火一草庵まつり」会場で表彰。
               
                    
   一草庵の「山頭火俳句ポスト」に投句された俳句は、140句
   県外句は、新型コロナの影響及び一草庵休館のためありませんでした。


         

         

山頭火俳句ポスト大賞     
  この辺に牡蠣船ありて山翁忌    松山市 西 敏秋     
 【評】【酒にだらしなかった山頭火が、道後にあった「牡蠣船」の付馬をつれて藤岡政一さんのところに行き、藤岡さんと高橋一洵さんの二人が借用証書を書いて山頭火を引き取ったのはファンの間では有名な話。昭和十五年の五月五日のことである。その年の今日、十月十一日に山頭火は没した。山頭火の人生や藤岡さんや高橋さんの暖かさが書き留められており山頭火俳句ポスト賞にふさわしい句だと思う。(小西)

山頭火一浴一杯賞
 ふるさとへ防府の方へ野分雲      松山市 髙橋孝伯 
【評】山頭火は、明治十五年に現在の防府市に生を受け、大正十五年に「解くすべもない惑ひを背負うて、行乞流転の旅に出」たのであるが、「ふるさとへ防府の方へ」という畳み掛けるような表現が季語「野分雲」とうまく響き合い、故郷に対する逸るような気持ちが一句全体から伝わってくる。また、野分を引き起こす雲である「野分雲」は山頭火の生涯の暗喩であるとも考えられる。(白石)
 
山頭火柿しぐれ賞
似て非なる自重に自嘲茨の実    松山市 西野周次 
【評】広辞苑には自重は自分の行いを謹んで、軽々しくふるまわないこと。自
 嘲は自分で自分をあざけること、とある。全く同じ「ジチョウ(・・・・)」であるが、
意味は異なる。二つの単語はどちらも自分をみつめる言葉である。季語の茨の実は、
秋、野山に自生するバラ科の落葉低木で赤い小さな実が熟す。自分を戒め自分の内面を
振り返る時、茨の実は的確な季語となっている。(本郷)
     
小西昭夫選
【特選】
 路地裏は早く暮れをりすいっちょん  松山市 今岡美喜子
【評】「すいっちょん」は馬追のこと。秋になって虫たちも鳴き始めた。日暮れも少しずつ早くなってきたが、路地裏の日暮れはさらに早い。そんな秋の深まりとさみしさを馬追の鳴き声に託して詠んだ。「すいっちょん」の押さえが見事である。

【入選】
 父知らぬ我が人生や終戦日      松山市 大川忠男
【評】「父知らぬ我が人生」にはそれだけ苦労も多かっただろう。何とか生き抜いて今の生活がある。だから、「終戦日」には万感の思いがこもる。戦争でお父様をなくされた方も多く、類句があるだろうことは予測できるが、個人の思いとしても二度と戦争を起こさないためにも何度でも書かれなければいけない句である。
  
白石司子選
【特選】
 余生にも目指すものあり青き踏む     松山市  大川忠男
【評】社会的な活動期を終えた後、つまり、「余生」は静かに送りたい思うのが一般的かもしれないが、この作者は尚且つ「目指すもの」があるのである。そして足の裏から春の喜びを味わうという季語「青き踏む」から前向きな姿勢が窺える。

【入選】  
 一草庵ラムネと語る昭和かな        松山市 西 敏秋
【評】清涼飲料の数も増え、いまは懐かしいものとなった「ラムネ」。そのラム
   ネを媒介として作者は誰かと昭和を語ったのであろう。何となく「おちつい
   て死ねさうな」、いや、ゆったりとした気分にさせてくれる「一草庵」だか
   らこそ、こういった心境にもなれるのである。
      
本郷和子選 
【特選】
白まんま炊き上ぐ八月十五日        松山市 辻原雅子
【評】白まんま(・・・)は白いご飯にこと。昔このような言い方をしていた人も多い、
 日本人として決して忘れてはならない終戦の日、白い飯を炊くことのできる意味は深い。昭和二十年に生まれた人はすでに七十五歳となる今、戦争を知らない人間ばかりとなる時代は恐ろしい。白まんま(・・・)とあえて表現したことで当時の状況、情景を彷彿とさせる共感句である。

【入選】
 水兵帽残る生家や終戦日       松山市 浅海好美 
【評】特選・入選とも終戦日の句を選んだ。作者の父上かどなたかが海軍の兵士であったのだろう。水兵帽は、七十五年経た今も、大事に保管されているのだ。作者は、この水兵帽を見て、どういう思いを巡らせているのか「白まんま」の句と共に読む者の心にずっしりと訴えるものがある。句の裏側には、「戦争は絶対にしてはならない」というメッセージが込められている。

髙橋正治選 
【特選】
 空蝉の一歩届かぬインターホン      松山市  藤山綾子
【評】空蝉は現身(うつせみ)でもある。勤めて精進すれば出来ないものはない。一滴の水も石に穴をあけることが出来る。精進は努力、届く筈である。

【入選】
 丑年の父を乗せたる茄子の馬     松山市 辻原雅子
【評】あの星の世界よりも尚遠い十万億土から一年に一度帰って見える仏さま。なすびやきゅうりの馬を添える。気をつけてね、又来年ねという声が聞こえてきた。



 

2020年9月12日土曜日

元気を出そう!没後80年「山頭火一草庵まつり」。

  コロナで自粛中の皆さまへ
  元気を出そう!「山頭火一草庵まつり」を山頭火の命日10月11日に開催し
  ます。三密を避けるために、「山頭火俳句でアート展」を企画しました。




  
       お手手こぼれるその一粒一粒をいただく  山頭火

     この句は山頭火58歳の秋、土佐の安芸から高知にでるまでの遍路途上の作。

   軒に立ってお経をよみ、つつましくお米をいただく山頭火の姿が見えてくる。

   坊やをだっこしたお母さん、坊やは僕がやるいって小さな手で握ってくれるのだが、

   その手からぱらぱらとお米が地にこぼれる。それをもったいないと、腰をかがめて、

   山頭火は、一粒一粒拾う。


    <内容・スケジュール<>
    ◇山頭火一草忌(81回忌)
        10月11日(日)9:00~9:30
        会場 一草庵

    ◇第11回山頭火検定   
        10月11日(日)13:00~14:30
        会場 清水公民館(松山市清水町3丁目170-4)

    ◇第30回山頭火俳句ポスト表彰式
        10月11日(日) 13:30~14:30
        会場 一草庵

    ◇山頭火俳句でアート展
        10月4日(日)~11日(日) 9:00~16:00
        会場 一草庵広場

    ◇山頭火トークイベント
        10月10日(土)、11日(日) 15:00~16:00
        会場 一草庵広場
        ●芥川賞作家・町田康エッセイの朗読
         町田康さんのご協力を得て、
         Web新小説「寺小屋山頭火」のエッセイを朗読させて
         いただきます。
        ●早坂暁ドラマ制作の秘話を語る
         NHKドラマ「何でこんなに淋しい風ふく」を手掛けた
         早坂暁さんのドラマ制作秘話などを語ります。

      


           <アート展案内用葉書きです。>
        


     

2020年9月1日火曜日

令和2年「第11回山頭火検定」受験者募集!

 「山頭火検定」募集のお知らせです。

コロナ禍に関連で、ステイ・ホームされている方も多いのではないでしょうか。

山頭火を勉強されて、「山頭火検定」に挑戦してませんか。



 第11回山頭火検定


試  験 日  令和2年10月11日(日) 13:00~14:30


試験会場  松山市清水町3-170-24(℡ 089-924-7075)


検定料   一般 ¥1000  高校生以下  ¥500

      検定料の振込は、最寄の郵便局の「振込取扱票」で。
      ・振込先 口座記号番号 01680-3ー108377    
      ・加入者名   まつやま山頭火検定実行委員会            

募集期間  8月26日(水)~10月4日(日)


申込方法  ハガキにて、下記の申込先へ。
       (住所・氏名・電話番号・年齢・性別を記入)

試験要項  60問・択一式  正解率70%で合格認定。


『山頭火検定・公式テキスト』(¥600)より90%出題。