「俳句一草庵」を、4月29日開催。
投句者の、投句者による、投句者のための、公開句会ライブと称して。
ご存知の俳句甲子園を真似て。
4月に事前投句を募集して、約300句が集まりました。
高校生からおじいちゃん、おばあさんまで、約70人以上の方が来庵してしてくれました。
午後1時から4時まで、帰らず楽しんでくれて、ホッとしました。
<大賞>
家よりの一歩を春の旅となす 村上邦子
<特選>
原罪というべきか少年と薔薇は 安部光陽(伯方高校)
桜餅十二単は重すぎる 岡部 咲(新居浜西)
ひと言の嘘にはじまるおぼろかな 伊藤海子
飛花落花チンパンジーの大欠伸 三上照昭
「原罪というべきか少年と薔薇は」の句、わかりますか。
原罪とは、人間が最初に犯した罪。
神はアダムとイヴに楽園にあるどの木の実も食べて良しとした。
ただ、知恵の木の実だけは、食べることを禁じた。
地上で一番こうかつな蛇が、イヴに神の命令にそむいて、
禁じられた知恵の実を食べるようすすめた。
イヴはそれを食べて、アダムにも食べるよう勧めた。
神の定めた律法を破ることによって、それ以来、全ての人間は、
アダムが犯した原罪を負ってこの世に生まれ、生きていくことになったという。
何も知らない初々しい純粋な明日に向かって羽ばたく少年。
今、まさに咲こうと、世の中に初めて顔を出そうとする、真紅のバラ。
少年がアダムで、バラがイブなのだろうか。
少年とバラは、原罪を背負っているのだろうか。
背負わせていいのだろうか。
この哲学的な現代俳句が、強く印象に残りました。