今週の山頭火句

今週の山頭火句 旅のかきおき書きかへておく  山頭火

2011年8月24日水曜日

一草庵「今月の山頭火句」(8月)

炎天をいただいて乞ひ歩く

松山では、少し朝晩涼しくなってきました。
この句は、大正15年「層雲」発表の山頭火句。
「乞ひ歩く」とは、行乞(ぎょうこつ)すること。山頭火はこの年10月、正一という名前を戸籍上「耕畝(こうほ)」と改める。そして耕畝という曹洞宗最下位の僧侶として、徒歩禅をはじめる。

行乞流転をはじめて、約2ヶ月。
九州・柳川で開業医をしている木村緑平を訪ねる。その後、炎天の中を行乞の旅にでた、ある日の句。
行乞をはじめて、俳句に専念できなかったのであろうか。この年の層雲発表句は、この句を入れて7句。

やっと托鉢僧らしい心境になれたのだろうか。
「炎天」という言葉に、厳しさを、
「いただいて」という言葉に感謝の気持ち、「乞ひ歩く」に謙虚で一生懸命さを感じる句である。




この間、一草庵で夏まつりを楽しんだ。

炎天をいただいて氷であそぶ子供たち


一草庵、庭の桔梗は咲き終わりました。
山頭火の句の英訳を紹介しておきます。

 Above my head-
 The burning summer sky,
   Begging and walking.               ジェイムズ・グリーン