今週の山頭火句

今週の山頭火句 旅のかきおき書きかへておく  山頭火

2011年10月6日木曜日

琵琶『俳人山頭火』再現コンサートのご案内!      まぼろしの琵琶『俳人山頭火』よみがえる。


   

   生死の中の雪ふりしきる   山頭火
これから新しい人生を歩もうとする、山頭火の前に雪は降りしきる。捨てても捨てても煩悩が出てくるのだった。
私の人生が私の俳句の前書きであると、山頭火は言っているが
この句には前書きがある。

   (しょう)を明らめ 死を明らむるは    
   佛家一大事の因縁(いんねん)なり <修証義>
  
                                                                           道元著「正法眼蔵」をまとめた「修証義」の書き出しの言葉。
      (俳句の前書きに、道元禅師の言葉を用いた人などいないと思う、
   「明らめ」とは、仕方がないとあきらめる意味ではなく、明らかに極めることを意味します。)
この言葉で始まる、琵琶「俳人山頭火」のカセット・テープが見つかった。
「俳人山頭火」を田村旭都さん、筑前琵琶にて演奏、一同感服敬聴。」
と大山澄太さん編集発行の「大耕」昭和32年12月14日の日録に記載されている琵琶曲。

  筑前琵琶 俳人山頭火  作詞 大山澄太  作曲演奏 田村旭都


   生を明らめ  死を明らむるは    
   佛家一大事の 因縁なり                                                        
                                      
 都の西北    早稲田の森に
 学びし頃の   黒髪を         
 剃って棄てたる 山頭火       
 墨染めの衣に  あじろ笠      
 ふかくかむりて 鉢の子を
 片手にもちて  ひょうひょうと   
 旅しつづける  幾山河       
 芭蕉の道に   あこがれて     
 良寛さまを   慕いつつ      
 奥の細道    たどりける 

     (省 略)
    
    「山あれば山を観る
    雨の日は雨を聴く  
    春夏秋冬
    あしたもよろし 
    ゆふべもよろし       ( 句集『草木塔』 ~山行水行~扉の詞なり)

 分け入つても分け入つても青い山
 分け入つても分け入つても青い山

 ああなつかしき  たらちねの
 母の位牌を    おいづるの
 底におさめて   お四国の
 遍路を終えて   松山なる
 一草庵に     住みてより
 友あり酒あり   湯もありて
 伊予の風土を   愛しつつ
 腹はへっても   句は作り
  『草木塔』を   世に出しぬ

 うれしいこともかなしいことも草しげる
 おちついて死ねさうな草枯るる

 しぐれて柿の葉のいよいようつくしく

 無一物中     無尽蔵
 いのちをかけて  俳三昧
 天地一杯に    詠いける
 その名も高し   山頭火
 その名はゆかし  山頭火


<田村(佐竹)旭都さんのこと>(1905-1991)
NHKの全国ラジオ放送などでの幾多の演奏、日比谷公会堂での演奏会、北白河宮妃殿下の御前演奏などで華々しく活躍。
琵琶奏者として初めて「人間国宝」に認定された故山崎旭萃(やまざききょくすい)さんとも演奏活動をされていたそうです。東京で活躍されていましたが、戦争が始まり、松山へ疎開(愛媛県宇和島市吉田生まれ)。
大山澄太宅の近くに住み、知り合う。

この消えてしまっていた琵琶の名曲を、
愛媛琵琶連盟の見立旭庸さんが、再現してくれることとなりました。

まぼろしの琵琶「俳人山頭火」よみがえる!と題して、
本年10月10日(月・祝)15:00に、一草庵で山頭火さんに捧げます。
この生演奏・琵琶の弾き語り、是非お聴きあれ!