今週の山頭火句

今週の山頭火句 旅のかきおき書きかへておく  山頭火

2012年9月9日日曜日

一草庵が「BS11」で紹介されます、是非見てね。

「久しぶりに きれいな海ば見た。」
映画「あなたへ」で、大滝秀治87歳が、散骨を終えた英二(高倉健)に吐く言葉です。


この言葉に、撮影現場の高倉健は、泣いてしまいます。
一見、静かで平和そうに見える海で暮らしている漁師たちは、
悲しみと喜びのある海に生きているんだ。
いつも美しい海ではないんだ、と言っている声が聞こえてきて泣いたのです。
久しぶりに、がいいですね。
(この言葉、俳句の究極的な精神が宿っているようですね。)




うれいしいこともかなしいことも草しげる  山頭火

の句が、ふと頭に浮かびました。

高倉健は、「久しぶりに きれいな海ば見た」、なんてつまらないセリフだと思っていたらしい。
大滝の言い方と気迫にビックリした。これこそが、この映画のテーマなんです、と高倉健はいう。

(NHKプロフェッショナル 「仕事の流儀」 映画界の伝説 高倉健特集より)

この話を、実は、私、一草庵で8月19日に宇和島出身の元NHKアナウンサー 宮川俊二さんから聞いていました。
高倉健主演の映画「あなたへ」は、山頭火の句集をもって旅する映画ですよ、と声をかけたところ、上で紹介した大滝さんのお話をされました、朝日新聞で読んでいたそうです。

その宮川さんは、旅人となって、文学のまち・松山を紹介するために、一草庵ロケ班と一緒に撮影に来られた。スケジュールが一杯で、ワインの話もできなかった。

その番組「とことん紀行 愛媛編」は、2012年9月14日(金)20:00~20:54に、
BS11で放送されます、是非見てくださいね。
再放送は9月28日(金)に、同じ時間帯で放送されるそうです。

 文学の街として、松山城、道後温泉、庚申庵、一草庵、正岡子規の関係の史跡を、宮川さんがとことん掘り下げます。
 あなたもきっと”松山へ行ってみたくなります。”
「一草庵」縁側でインタビューする宮川さん
山頭火の位牌にお線香を上げる宮川さん