今週の山頭火句

今週の山頭火句 旅のかきおき書きかへておく  山頭火

2021年4月5日月曜日

日経新聞日曜版3月28日「放浪の俳人・山頭火の日記をたどる」

 日経新聞が、日曜版(3月28日)大きく取り上げてくれましたので、紹介をしておきます。

  タイトル「自分に分け入る」

                     




 熊本植木町・味取観音堂、山頭火の墓がある防府護国寺、防府・山頭火ふるさと館、

山頭火終焉の地一草庵での取材記事です。

  取材者が、それぞれ好きな句をあげている。

    空へ若竹のなやみなし

    濁れる水の流れつつ澄む

    鉄鉢の中へも霰

    壺に水仙、私の春は十分

   私は、一草庵を代表して、「鉄鉢の中へも霰」の句が一番好きだとしました。

   自論、鉄鉢の中へ霰 でなくて、山頭火は 鉄鉢の中へ霰 と詠む。

   「も」の中に、山頭火の深い思いを感じるからです。

   山頭火は、日記に句作態度として「自己のうちに自然を観るというよりも、

   自然のうちに自己を観るのであると」、そして「俳句は間違いなく抒情詩である、

   あらねばならない。」というのです。「も」の一字に、山頭火の深い抒情がこめら

   れていると思いませんか。

                    


   カメラマンが、素敵な写真を撮ってくれました。裏の竹やぶからの写真です。

   タイトルを付けてみました。

   「コロナ禍の中、一草庵の灯り」