<<第34回山頭火俳句ポスト賞>>
山頭火俳句ポスト大賞月をみる争いもみる地球人 松山市 太田辰砂【評】一般に花火は見に行くもの。夜空に開く大輪の花火の色や光を楽しむものである。
つまりは視覚の楽しみなのだが、言われてみれば、もし花火に音がなければ、
魅力は半減するだろう。もちろん、視覚も楽しませるのだろうが、
それを大胆に聴覚に絞った表現に意表を突かれる。(小西)
【評】ロシアによる核兵器の使用が云々される時代では、余計に「ヒロシマ」は重い。
生家に残る防空壕は「ヒロシマ」「ナガサキ」に限らず、戦争の悲惨さに思いを至らせ
平和への希求を新たにしてくれる。
【評】太平洋が枕詞のように使われていて面白い。「太平洋」の文字のまん中に「平」の字があり、別に太平洋でなくても平らな海、穏やかな海で鯵を釣ると読んだのでいいだろう。このゆとり、遊び心が何とも愉快である。【評】山頭火が一草庵入庵の日に、朱鱗洞の最後の句「いち早く枯るる草なれば実を結ぶ」に呼応するように詠んだ、「落ち着いて死ねさうな草枯るる」の本歌取り。
農業をされている方などには、「猪来たる」は、「実を結ぶ」どころではなく、まさに死活問題であり、単なる「もじり」の句で終わっていないところがすごい。【評】物事を調べるには様々な情報が氾濫しているインターネットよりも、やは
り辞書が一番確実だと思って「人生の意味」を調べようとしたのであるが、
やめてしまったのかもしれない。生きる意味の答えは本当に難しい。無季句で
あるが多くを語っているし、「引こうとした」という口語が一句を深刻なもの
にしていない。【評】蓑虫は鬼の子とも言って、木の葉をつづり合わせて蓑のような巣を作り
その中に棲む。この中で羽化して蛾になるものと、雌には脚がなく羽化せず一生
蓑の中にいる。鬼は蓑笠を着ているという伝承から鬼の子、鬼の捨子とも言われる。
時に鬼の子は蓑の外を覗くが鬼の子にとってそれは小宇宙である。
上五「蓑虫」とせず「鬼の子」とすることで俳諧味が出た。
【評】過疎になった田舎の小中学校が閉校になった話は毎年のように伝えられる。その廃校にカフェがオープンし住民が多く、ランチやお茶を楽しみ来る。この暑かった夏は、かき氷を求めて満席になったという。廃校というマイナス面と、満席というプラス面を取り合わせたところが巧みである。

























