ちょうど薄日のさす穏やかな天気に恵まれた日、一度行ってみようと思いながら通り過ぎていた野福峠を訪れました。
野福峠は、この地域では有名な桜の名所です。その桜のかなたの海の眺めは絶景だということです。野福峠へは、松山自動車道西予インターを降り国道56号線を南へ向います。西予市のはずれにある「法華津トンネル」の手前で「明浜」に向け右折、県道45号の「野福トンネル」を過ぎて木々の間に輝く宇和海を下に眺めながら1~2分、つづら折の道を下ります。
公園は道路わきにあり桜の頃には花見客がたくさん訪れるのでしょう。写真の左奥を横切っているのが県道45号線、真ん中に見えるのは旧道路です。句碑は写真の中心にある東屋の向こう側にありました。
「さくらさくらさくさくらちるさくら」
句碑には両面に同じ句が彫られています。この句は「行乞記」昭和7年4月15日に掲載されています。同じ日記に「遍路さみしくさくらさいて」という句も並べられています。その他3月、4月の日記にはさくらの句がたくさんあります。「自嘲の旅」(村上護先生の「山頭火年譜」より拝借)にいる山頭火の心情と、明るい桜花との対比が華やかだけれど悲しい句だと勝手な解釈をしてしまいました。