今週の山頭火句

今週の山頭火句 旅のかきおき書きかへておく  山頭火

2012年3月25日日曜日

訪庵録


寒空の下咲く山椿と一草庵
久しぶりに訪庵録をお届けします。暖かくなったと思ったらまた急に寒さがもどってくる、一草庵もそんな日々の中にあります。今日はことさら風の冷たい一草庵です。

あすは入営の挨拶してまはる椿が赤い
                      山頭火
椿おちてゐるあほげば咲いてゐる  
                      山頭火




黄色が映えるヤマブキ
知らない土地でのご子息の手術、さぞ心もとない思いをされたことでしょう。山頭火さんとの出会いも何か運命的なものを感じるのは、私だけでしょうか。ぜひ、また松山に、一草庵にお出かけください。
一草庵にも少しずつ春の足音が近づいています。




一草庵に来ると、なぜか素直な自分に会える気がします。お母さんを慕い、感謝の気持ちを伝えていらっしゃる姿に心打たれます。山頭火の有名な句にもそれがあります。

 母の47回忌  うどん供へて、母よ、わたくしもいただきまする   山頭火

庭石のそばに可憐に咲くすみれを見つけました。草花の好きだった山頭火さんならどんな句を詠んだのでしょうか。すみれではないけれど、こんな句がありました。

   名もない草のいちはやく咲いてむらさき  山頭火


 大阪からも台湾からもこの一草庵に来てくださいました。多くの旅人が山頭火さんとの出会いを求めてこの地を訪れます。こうしたご縁を大切に、今日も時間が流れて行きます。 
まだまだ蕾が固いさくらですが、春はもうすぐです。今年もきれいな花を見せてくれることと思います。