今週の山頭火句

今週の山頭火句 旅のかきおき書きかへておく  山頭火

2012年6月7日木曜日

村上護先生とその俳句仲間たち

宇和島吉田で井上論天さんが中心となって開催されている「みかんの里全国俳句大会」の帰り(5月14日)に、
NPOの顧問をしてくれている村上護先生と愉快な俳句仲間たちが、一草庵を訪問してくれました。
上田五千石に師事され、現在・俳句月刊誌「月の匣」を主宰している水内慶太先生、深川正一郎に師事され、現在・「くるみ」を主宰する俳壇の大御所・保坂リエ先生もご一緒です。
 保坂先生は、俳句大会で「百の理論より一つの実作」を講演されたそうです。
ほつと月がある東京に来てゐる」の山頭火句碑がある谷中・本行寺の加茂住職も松山に来ています。
来年は、松山で「一茶・山頭火全国俳句大会」を開催しようと、意気投合です。
 皆さん、ちょっとあか抜けした粋な人たちばかりでした。




 遅くなりましたが
 「第6回俳句一草庵」の村上護特別賞の紹介をさせていただきます。

 一般の部・特選
 旅立つまへのひとときを並んで座る  松山 朗善(ローゼン千津)

 (評)山頭火には「うしろすがたのしぐれてゆくか」の名句がありますが、
  見送る後ろ姿でなく別れる前の互いの心と心の温かい交わりに共感を覚えます。

 一般の部・入選
 歩いても歩いても春風ついてくる   松山 西野周次 

 (評)山頭火の俳句の常套的なフレーズですが、ファンならではの一句でうれしいですね。

 帯締める生きる力を物の芽に     松山 橋本伎代子

 (評)人生の生き方と自然の力が明るい方へと向い、好感のもてる一句です。

 高校の部・特選               
 陽炎の沖へタンカー後ずさる     松山東高3年 東影喜子

 (評)重くれたタンカーと、はかない感じの陽炎との取り合わせに優れたものがあります。
  特に下五の「後ずさる」は的確な表現です。

 高校の部・入選
 この胸の君を消すのは桜吹雪   飛騨神岡高3年 下崎琴音

 (評)若さが漲っており清新、心のわだかまりも桜吹雪ですっきり。

 始業式前のクラスのドア開ける  弘前学院聖愛高3年 貴田茉莉亜

 (評)クラス換えでクラス・メートとも新しくなります。胸がどきどきするのを、
  うまく表現しているよい句です。

 春の暮行きより重い背中の荷    松山東高1年 河野泰造

 (評)人生の一つの発見ですね。それを短詩型で表現すると、一層明瞭になります。