まつたく雲がない笠をぬぎ の句ような秋晴れのいい天気でした。
あなたのことを忘れないように、勉強してもらって、「山頭火検定」を受験していただきました。
今年は、20名の参加者でしたが、熊本は人吉から、徳島からも駆けつけてくれました。
松山東高・松山大学の学生、歯科医の先生もいましたよ。(欠席者、2名)
これは、第3回山頭火検定の試験問題です。
問18 山頭火の現存する日記は、昭和9(1934)年9月9日からのものです。
9月14日人吉町の宮川屋で、芭蕉の「奥の細道」吉田兼好の「徒然草」にも匹敵する
序文を残しています。
「私はまた旅に出た。――
所詮、乞食坊主以外の何物でもない私だった、愚かな旅人として………………
水は流れる、雲は動いて止まない、風がふけば木の葉が散る、魚ゆいて魚の如く、鳥とんで鳥に似たり、それでは、二本の足よ、歩けるだけ歩け、行けるところまで行け、
旅のあけくれ、かれに触れこれに触れ、うつりゆく心の影をありのまゝに写そう、私の生涯の記録としてこの○○○を作る」 ○の中に入る言葉は何ですか。
1 一草記
2 草木塔
3 行乞記
人吉からの人も言っていました、また坂本福治先生からも連絡をいただいていましたが、
あなたが、この行乞記の序文を記した人吉の宮川屋の所在地がやっと判明したそうです。
「宮川屋を検証する会」の歯科医をされている那須智治さん(71)の調査の結果です。
その場所は、昭和19年の山田川山津波によって流出され跡形もなくなっているそうです。
現地は復旧されないまま山田川河川敷となり、宮川屋前の道路には出町橋が継ぎ足されているそうです。
(※人吉の那須先生から、「出町橋」のことについて、ご連絡がありました。
コンクリート橋に木造の橋がつながれていたのが、昭和49年7月新しいコンクリートの橋に整備されたそうです。)
山頭火検定試験会場 |
続いて、「山頭火寄席」のお話です。
もりもりもりあがる雲へあゆむ 山頭火さん、一草庵の笑い声、聞こえたでしょう。
初めての野外での落語会でしたが、うまくいきましたよ。
素敵な会場「山頭火一草庵亭」が出来上がり、出囃子にのって、
まずは、愛大落研の愛家明陽(いとしや・あけび)さんの登場。
演じますのは、古典落語「金明竹」です。
少しヤボな説明をしてしまいました。
落語会のヒーロー、頭が弱く失敗ばかりの与太郎が登場しますと、言ってしまったのですが
丁稚・定吉のバージョンでした。
骨董屋の店蕃の小噺、道具七品の話へと進んでいきます。その中にでてくるのが「金明竹」
です。中国・黄檗山にある黄金色の名竹。
隠元が、来日して宇治に万福寺を建てたとき、この竹を移植したそうです。
隠元・木庵・即非の張り交ぜ屏風も話の中に出てきます。
一草庵の近くには、黄檗宗・千秋寺があります。
そこには、即非の書といわれる「海南法窟」の額が残っています、貴重な遺品です。
もうひとつの品として、「古池や蛙飛びこむ水の音」風羅坊正筆の掛け物が登場します。
『風羅坊』とは、芭蕉の雅号(ペンネーム)です。
主人が帰ってきます。
買うように頼んでいた道具七品、ちゃんと買ってくれたんやろか。
いいえ、買わず(蛙)に飛びこみました、というお話。
愛家明陽さん |
桂文珍の新作落語「老婆の休日」を披露してくれました。
オードリー・ヘップバーンもグレゴリー・ペックも話の中には出てきませんが、医者と老婆の会話、
間合いもよく笑ってしまいました。
寿亭富蜂さん |
飛び入りで、愛大落研の黄金山(ごーるでん・まうんてん)の面々も登場。
中西建設さん |
黄金山さん |
トリは、山頭火の創作落語「山頭火コロリ往生」です。
山頭火の落語、世界のどこにも無いでしょう。
五十九楼小辰(ごそくろう・こたつ)さんが、創ってくれました。
山頭火の念願は、コロリ往生です。
山頭火は、護國神社のお神酒を飲んで、高いびきをかいて寝ています。
「コロリ往生受付所」にやってきます。そこには、閻魔さまがいました。
手続きがうまくいくと、無事コロリ往生ができるそうです。
最後の場面。
山頭火さん、やけに安らかな寝顔で。気持ちよさそうです。
松山の人はみんな本当に優しい。
山頭火 はい、みんな優しいです。
私に優しくしてくれる訳まで聞かせてくれそうです、閻魔さま。
閻魔さん それは、是非伺いたい。
その訳を言ってください。
山頭火 訳いっても 訳いっても 青い山
五十九楼小辰さん |
出演者全員集合 |
大入!「山頭火寄席」風景
早速、朝日新聞の清野記者が
「山頭火の軌跡 それぞれの胸に」として、報道してくれましたので、紹介させていただきます。
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10月11日(木) 一草庵にて法要。
(一草庵公開日です、山頭火の遺品・鉄鉢やキセルが公開されます。)
9:30 御幸寺土屋住職 読経
9:50 琵琶「俳人山頭火」奉納(見立旭庸)
山頭火への献句
12:30~ 講話「山頭火と朱鱗洞」 藤岡照房