「第8回俳句一草庵」の一次選考の結果を発表しておきます。
4月28日午後、一草庵で公開句会ライブを実施します。
予選追加の方は、参加してね、会場でお待ちしています。
台湾の方も、韓国の方も、残っています。
<一般の部>
戸を繰ればまさしく故郷花蜜柑
子ら去りて温もり残す春障子
四坂島の大煙突や春うらら
菜の花ひたすら海へ続く
花吹雪黄色い帽子がよく似合う
冴え返る足音もまた生きている
姉一人吾も一人や紙雛
草に学び虫に学びて遍路かな
黒松や花振り掛かる乾門
城高し春満月を掲げたる
吉野山眠れる花の闇深し
春が来た孫たち隣りに越して来た
山笑う今日はなにして遊ぼうか
お温泉よろし昼の月つれ一草庵
落し文誰に拾われたいのやら
陽炎の中をつきぬけオートバイ
福島忌おぼろの闇の底知れず
独り居の軒に戻り来初つばめ
一生は束の間さくらさくらかな
草萌えて戸の内暗き一草庵
われ一人歩き出す春影も一人
平成や老女ばかりの花筵
咿唔の声英語日本語春の月
車座の中に一升囀れり
あの頃は天まで飛べたふらここよ
蛇いちご小さき秘密の育ちつつ
山頭火の留守の鉃鉢朧月
大緊張走る地球の山笑ふ
大抵のことは許して福寿草
飛花落花あれよあれよと老いにけり
空せ貝遅日の砂のつまりおり
春の森どこかに神の目が潜む
白魚の重さは水の重さなり
雪吊りのほどほどといふ縄の張り
春夕焼ふところ深く持ち歩く
ふくらみて春を連れ来る潮かな
花大根人間くさきが好みなり
遊郭地と小さき石碑花の坂
山寺のソーラーパネル養花天
悲しみをしまふ抽斗飛花落花
松の芯餓鬼大将も老いにけり
草笛を吹くはるかなる父母に
俳人の故宅朽つるも花の下
光るもの一つ持ちたし老の夏
花は葉に恋の予感の風がふく
余生てふ日に生きうらら天寿まで
突風の落したる椿の赤く
子猫しきりにじゃれカーテン越しに雪が降る
地下資源乏しき日本地虫出づ
ものの芽や歩き始めの赤い靴
真青なる空借景に石鹸玉