今週の山頭火句

今週の山頭火句 旅のかきおき書きかへておく  山頭火

2010年4月29日木曜日

『第2回俳句一草庵』開催。

「俳句一草庵」を、4月29日開催。
投句者の、投句者による、投句者のための、公開句会ライブと称して。
ご存知の俳句甲子園を真似て。

4月に事前投句を募集して、約300句が集まりました。
高校生からおじいちゃん、おばあさんまで、約70人以上の方が来庵してしてくれました。
午後1時から4時まで、帰らず楽しんでくれて、ホッとしました。

<大賞>  
家よりの一歩を春の旅となす      村上邦子
<特選>  
原罪というべきか少年と薔薇は    安部光陽(伯方高校)
桜餅十二単は重すぎる         岡部 咲(新居浜西)
ひと言の嘘にはじまるおぼろかな   伊藤海子
飛花落花チンパンジーの大欠伸    三上照昭

「原罪というべきか少年と薔薇は」の句、わかりますか。

原罪とは、人間が最初に犯した罪。
神はアダムとイヴに楽園にあるどの木の実も食べて良しとした。
ただ、知恵の木の実だけは、食べることを禁じた。
地上で一番こうかつな蛇が、イヴに神の命令にそむいて、
禁じられた知恵の実を食べるようすすめた。
イヴはそれを食べて、アダムにも食べるよう勧めた。

神の定めた律法を破ることによって、それ以来、全ての人間は、
アダムが犯した原罪を負ってこの世に生まれ、生きていくことになったという。

何も知らない初々しい純粋な明日に向かって羽ばたく少年。
今、まさに咲こうと、世の中に初めて顔を出そうとする、真紅のバラ。
少年がアダムで、バラがイブなのだろうか。
少年とバラは、原罪を背負っているのだろうか。
背負わせていいのだろうか。
この哲学的な現代俳句が、強く印象に残りました。