今週の山頭火句

今週の山頭火句 二の丸三の丸さくらもみづりはじめて  山頭火

2012年9月21日金曜日

一草庵での日仏俳句交流                    松山や元気もらいて秋の旅  マルティンヌ

 フランス俳人たちの四国俳句巡りの皆様が、一草庵に来てくれました。

 フランスとの時差は、12時間ぐらいあるのでしょうか。
フランス中南部 オーヴェルニュ地方のクレルモン・フェランという町に暮らしている合谷麻容子さんから、電話があったのです。
そして、思いのこもった長文のメールをいただきました。

<オーヴェルニュ地方は、日本人にはあまり知られておりませんが、ちょうどフランスのおへそのあたりの地方で、ヴォルビックというミネラルウォーターの源泉のある緑豊かな場所です。私たちが暮らしている首府・県庁所在地であるクレルモン・フェラン市は、フランスでも最古の歴史を持つ町の一つとしても知られ、ガイドブックで有名な世界的タイヤメーカー ミシュランの本拠地で、哲学者パスカルの生地です。>

彼らの俳句スタイルは、自分たちにピッタリとくる自由律俳句だそうで、山頭火や放哉になろうとするのだそうです。
山頭火は海外では、大変人気のある俳人で、来日するマルティンヌ・ブルジエールさんは、フランス俳句協会発行の俳誌に山頭火の記事を執筆しているとのことです。

海を渡って発展した外国語俳句がそうであるように、フランスでも5-7-5の17音の制約や季語などの決まりはなく、3行程度に綴られた短い詩が「HAIKU」と呼ばれているとのこと。
俳句の創作は、日本語でなく、それぞれの国の言葉で行われ、それぞれの国で独自の「HAIKU]スタイルが広がっている。
「HAIKU」は、日本の詩であるということも忘れられてしまう日は近いかも知れないという。
そこで<日本の俳句のご先祖さまへのお墓参り>という日仏俳句交流プログラムができたわけです。
そして合谷さんは言います。
俳句は国際化したとはいえ、ふるさとの匂いがしないということを寂しく思っています。
「HAIKU」をきっかけに日本を知り、日本語や日本文化に触れてもらうことで、日本への興味や理解へとつなげることはできないか、古の俳人たちの生涯や句の生まれた歴史や背景、四季のうつろいに敏感な日本人の豊かな季語表現やわずか17音で表現される感動と世界観、日本の詩歌の魅力である日本語の美しい響きやリズムを彼らに感じてもらうことはできないものか。
俳都・松山は、まだ残念ながら海外の俳人たちには知られていないのが現状です。かつて熱い思いを持って生き抜いた俳人たちが暮らした場所であるということに思いを馳せてもらい、まだ知られていない魅力を発見し、一緒に世界へ発信しようという、萌えるような思いが合谷さんから伝わってきました。
もう一人、熱い熱い日本人がいます。日本側代表の香川県丸亀に住む、尾崎美恵さんです。
「四国夢中人」のホームページをご覧ください。そこには熱いパワーが漲っています。

HAIKUから俳句へ-欧州俳人たちによる四国俳句めぐり
世界に飛びだしたHAIKUたちの里帰り・その松山編を紹介します。
  (松山は、9月18日、19日、20日の滞在でした。)
18日の午後は、フランスの建築をモデルとした萬翠荘見学
    そして松山城へ。
19日は、子規記念博物館での糸瓜忌セレモニーへ参加
子規記念博物館で挨拶をするフランス俳人たち
それから、子規記念博物館~子規堂~庚申庵へ。
そして一草庵での俳句交流。
 一草庵の入り口で、日本の秋のこころ、コスモスの花を手渡し
お出迎えしました。そして、その花を山頭火さんに献花していただきました。

コスモス(秋桜)の花でお出迎え
山頭火の生涯、句碑の紹介のあと、
琵琶唄「俳人山頭火」を琵琶師・見立旭庸先生に演奏していただきました。そしてフランス俳人の方々にも琵琶にさわっていただき、琵琶を弾いていただきました。
 前にもブログで紹介しましたが、フランスの文化勲章といわれるコマンドールをもらった琵琶師・鶴田錦史がいるので、日本の音として認知されているかも知れません。
琵琶「俳人山頭火」を聴くフランス俳人たち

続いて、フランス俳人と一緒になって、琵琶の音に合わせて
山頭火の句
 分け入っても分け入っても青い山 を朗詠しました。

琵琶を弾くフランス武道家・ローラン・ペイアンさん
続いて、書家・石丸繁子先生に、”俳句を書く”ということで
山頭火の句
分け入っても分け入っても青い山 の書作の実演をみていただきました。
山頭火の句を書く書家・石丸繁子先生
山頭火・放哉が大好き、国内外で活躍する俳人マルティンヌ・ブルジエールさん

拍手を受ける俳人ミン・ティルト・ファームさん
宇都宮憲市さんに、俳句を墨によって写し取る拓本の実演をしていただきました。
拓本の実演をする宇都宮憲市さん
山頭火の俳句を声に出してうたい、俳句を書にしたためて
拓本にして俳句を観賞していだだきましたが、いかがでしたか。
と聞く時間もありませんでした。
 そんなことをしている時、山頭火さんが、突如登場しフランス人にご挨拶。(山頭火案内人の高橋君)
山頭火に扮装の高橋君とブルジエールさんとドゥテェイさん

好きなうどんを持つ山頭火さんと鉄鉢を持つペイアンさん

最後に”うどん”をすすっていただいて山頭火さんを皆で偲ぼうと、考えていたのですが、これもキャンセルとしました。

 山頭火最後の年、昭和15年9月19日の一草庵日記には、
夕方から正宗寺へ 子規忌なのでお墓まゐり。
亀屋でうどん2杯食べ、帰庵、とあります。

参加者全員で記念写真

一番残念だったことを報告して終ります。
ロンドン・オリンピックで、なでしこジャヤパンの活躍が日本を印象づけたので、是非、フランスの方になでしこの花を見ていただこうと、沢山の人が一致団結して探してくれました。
その見つかったなでしこの花を、すっかりと紹介できなかったので、涙しています。
私は、後で気が付くひょうきん者です、マティンヌ・ブルジエールさんの素敵な服の模様、なんとナデシコじゃないですか、写真を見てわかりました。またまた声をかけられず残念かな。)

また、俳句を詠む人たちが集まってくれたのに、交流の時間がとれなかった。




最後に、一草庵にて、毛筆で「俳句の書」にチャレンジしたフランス俳人の俳句を紹介します。

すだれ雨食べるのみてた蚊が僕を ローラン・ペイアン
 鳥なきて木陰の奥に松山城    ミン・ティルト・ファーム
   松山や元気もらいて秋の旅     マティンヌ・ブルジエール

※ 「四国夢中人」のHPで
  ”欧州俳人たちによる四国俳句巡り”報告会が拝見できます。
   http://muchujin.jp/archives/author/tomoko

 四国の文化に触れて、四国を腹いっぱい夢中に堪能された様子がズバリうかがえました。
 まるで、「四国夢中人」になったようです。
 海外では、自由律の俳句が主流だというお話もされていました。
 俳句を通じて、四国文化の発信をしてくれるそうです。バンザイ!