今週の山頭火句

今週の山頭火句 あるけばかつこういそげばかつこう  山頭火

2013年8月9日金曜日

「第3回山頭火出前俳句ポスト子ども俳句賞」の発表。

『第3回山頭火俳句ポスト子ども俳句賞』を発表します。

 清水小学校、姫山小学校、湯築小学校の児童が、出前山頭火俳句ポストに投句してくれました。
投句数731句の中より、俳句選者に入賞句を選んでいただきましたので紹介します。

8月10日(土)の「一草庵・夏のこどもまつり」の会場で、表彰します。

 しきさんは はいくをつくって しんどいな  

         小学3年生、杉本君の俳句です、この俳句には、しびれました。               

小西昭夫・選                                                         

【特選】 プールすきだみずしぶきだいすきだ            湯築小2年   菊池翔貴

  (評)夏の楽しみのプール。もちろん、すきだ。プールがあげるみずしぶきがすきだ。
  「すきだ」「だいすきだ」の畳み掛けが見事であり生命力にあふれている。

【入選】 ひまわりが右と左でせいくらべ              姫山小2年   小島彩聖

  (評)何本かのひまわりがかたまって生えているのだろう。それはまるでみんなでせいくらべをし  ているようである。それが夏の力だ。

【入選】 風鈴でわたしの心もすずしいな      湯築小3年   寒川日花里

  (評)風鈴の音はぼくたちにすずしさをもたらしてくれるが、何よりも私の心をすずしくしてくれる   のだ。

【入選】 手のひらのホタルのにおいチョコレート 清水小5年   児玉顕信

  (評)大切に持った手のひらのホタルのにおい。その特別な感じは大好きなチョコレートに似て   いる。

【佳作】 夕やけが山にぶつかりとけちゃった    清水小2年   福石七海

  (評)消えてゆく夕やけが山にぶつかって溶けちゃったとはとてもおしゃれで
  詩的な表現。

【佳作】 かぶとむしはっけよいよいちからもち   湯築小1年 上田真太郎

  (評)かぶとむしのげんきさとかぶとむしにすもうをとらせるげんきさのふたつのげんきがきもち  いい。

【佳作】 泳いだら髪からしずく背をぬらす     姫山小3年   岡 愛奈

  (評)長い髪なのでしょうね。泳いだら髪のしずくは背中をぬらすのです。ちょっと、大人の世界を  覗いた感覚でしょうか。


白石司子・選


いい俳句が出来ましたね。


【特選】 春風と一年生がやってきた                 清水小3年   池田結来

 (評)大人が俳句を作ると技巧をこらし、「春風や」としてしまうのだが、「春風と」としたところが、
 うまい! のどかでおだやかな春風と共にやってきた一年生。そして、それを見ている作者の中  に も吹く春風のようなやさしい風。実景のみでなく、そんな内面風景もうかがわせる作品となって いる。

【入選】 新人戦間近にせまる夏日かな             清水小6年  高橋良汰

 (評)間近に迫っている新人戦の日を「夏日」、いや、「新人戦」にかける熱い思いそのものを「夏  日」と解釈した方がいいだろうか。この句の場合の切れ字「かな」は効果的で、作者の凝縮した思 いを伝える。

【入選】 せん風機前に集まるうちゅう人      湯築小6年  伊手美樹乃

 (評)暑い時や汗をかいた時は、即効性からしても扇風機が一番!それでみんなが「せん風機前 に集ま」ったんだね。「うちゅう人」としたことで、集まっている人のデフォルメされた顔や声などが  想像されて愉快だ。

【入選】 なつやすみ虫とりめいじんあらわれる   姫山小2年 内藤颯眞

 (評)この世の中にはいろいろな名人がいるけど、やっぱり「なつやすみ」は「虫とりめいじん」が一 番かっこいい?「虫」だけを漢字にしたことで、そこに視線が集まって効果的だし、下五「あらわれ る」が一句を臨場感あふれるものにしている。

【佳作】 おじさんと田植え機乗って風を切る  清水小6年  武田香蓮

 (評)田植えの時節。普通ならばそれを見学、あるいはちょっとしたお手伝いをするだけで終わる のだが、作者は、「おじさんと田植え機に乗って」いる。下五「風を切る」に、颯爽とした作者像がう かがえる。

【佳作】 しきさんははいくをつくってしんどいな   湯築小3年 杉本一太 

 (評)作者も俳句をつくるのが、億劫だったのだろうか。そこで、たくさん俳句をつくっている「しきさ ん」に思いを馳せ、「はいくをつくってしんどいな」というフレーズが生まれたのかもしれない。下五 「しんどいな」から、作者のため息までも聞こえてきそうだ。

【佳作】 家の外ふうりんの音でいっぱいだ     姫山小3年 井伊陽真

 (評)冷暖房完備の室内は快適だが、自然とは程遠い世界である。そこで、家の外に出てみると、 そこはまさに涼しげな「ふうりんの音」の世界。下五の口語「いっぱいだ」が、風鈴の音色を満喫し ている作者像を遺憾無く伝える。


本郷和子・選



【特選】 バトン投げ初夏の空まで飛んでゆけ   清水小6年  亀井 葵

 (評)バトンを投げて演技しているのでしょう。思いきり高く投げるとそこは初夏の空、
 なんと気持ちのよい、はつらつとした動きのある素敵な俳句です。

【入選】 風ふけばプールのなみもおよいでる   姫山小2年  小島彩聖

 (評)風のある日、プールを見ていると表面に波ができていたのです。
 それがまるで、波が泳いでいるように見えたのでしょう、観察のよくできた句です。

【入選】 日がささしまちをのんびりお母さん    清水小4年  シュマスマン セリーナ

 (評)お母さんが日傘をさして、おしゃれして、ゆっくりのんびり街を歩いて
 いる姿が見えそうです。きっとやさしく、素敵なお母さんでしょうね。

【入選】 ひまわりはたいよういっぱい食べてるよ  姫山小2年  永田真悠

 (評)ひまわりは、いつも太陽の方を向いて元気に咲いています。それを太陽を
 いっぱい食べるという思いつきはすばらしい。

【佳作】 トマトがねあかくなったよ日やけかな    湯築小2年  松岡佑麿

 (評)トマトがうれて赤くなったことを、人間のように、日焼けしたのかもと思ったところが
 とても愉快です。

【佳作】 アリたちが巣から出てきて遠足へ    清水小3年 松原弘典

 (評)巣から出て来たアリは一列の長い行列を作って歩きだす。それをアリたちに
 遠足と見たところが楽しくておもしろい。

【佳作】 もみじはねはっぱじゃないよ森の手よ    姫山小5年 片山果林

 (評)もみじの葉をよく子どもが、赤ちゃんの手と表現することもあるが、葉っじゃないよ
 と言い切る強さが愉快。そして、葉っぱを「森の手」なんてもっと愉快。


熊野伸二・選


【特選】 
 ありたちがせえのせえのとがんばるよ                清水小1年  田村一朗 

 (評)「アリとキリギリス」の童話を持ち出すまでもなく、アリは働き者のイメージが定着している。
 六歳の作者は、そのアリたちの働きぶりを見て「せえの、せえの」と声掛けあって頑張っていると
 見た。これ以上ない小動物の動きを観察し「がんばる」と評価する心根がうれしい。

【入選】 昼下がり春さがしする日曜日                清水小4年  毛利美咲

 (評)日曜日の午後、作者は春らしさを探しに出かけています。木々の芽や蕾がふくらみ、
 スミレやホトケグサなどの小さな花がさいているのを発見したでしょう。
「春」の言葉の語源は、木の芽が「膨(はる)から来たといわれます。「春さがし」の表現はうまい。

【入選】 赤とんぼ赤いめがねをかけている    姫山小2年  内藤颯眞

 (評)赤トンボは、体が赤いトンボの総称。日本には21種類が記録されており、
 普通見かけるのは、アキアカネとナツアカネ。その赤とんぼが「赤いめがねをかけている」
 ーという俳句を見て、改めて昆虫図鑑で確認したら、その通りでした。よく観察した作者に
 感服でした。

【入選】 あじさいは四角を集めてまるくなる      湯築小6年  山下裕子


  (評)アジサイは「丸い花」と思っていた。しかし、作者は「四角を集めて丸く」
 なっているーという。梅雨に咲き、漢字で紫陽花と書き、七変化の別名もあるなど、
 よく知られている花のはずなのに、指摘されてなるほどと思う。装飾花で、
 やや菱形の咢(がく)が集まって大きな一つの花に見えるのだ。冷徹な観察眼と分析力に敬意。

【佳作】 ほたるはねぴかぴかひかるコンサート 清水小2年 渡部漱太

 (評)初夏の夜、たくさんのホタルが、光を点滅させながら飛ぶ様子は、日本人が大好きな
 風物詩。決して音は出ないのだが、作者は光の乱舞を「コンサート」のように感じたのだ。
 いわれてみると、なるほどワルツでも奏でているようでもありますね。

【佳作】 バッチグーぼくの作ったハンバーグ     姫山小2年  佐々木凱士

 (評)料理するお母さんを手伝ったのかな?ハンバーグを丸めたのでしょうか、
 とってもじょうずにできて「バッチグー」と鼻たかだかの様子。自分の作ったハンバーグの味は、
 また格別だったことでしょう。リズム感が快い作品。

【佳作】 真っ黒だ日焼けしたのかいかげさんよ   湯築小5年  木多凪沙

 (評)夏の強い太陽が作り出す影は、特別に黒く感じます。「真っ黒」。その黒い影に対して
 「日焼けか」と呼びかけるユーモア。字余りになりましたが、「―したのかい」と語りかけ「かげさん」 と尊称をつけての問いかけも楽しい。