俳人山頭火の一草庵での公開俳句大会『10周年記念・俳句一草庵』を開催します。
【日時】平成31年4月29日(祝・月)
【会場】一草庵(松山市御幸1丁目435番地1)13:00~16:00
「10周年記念俳句大会・俳句一草庵」に850句(一人2句まで)の投句がありました。
北海道、青森、宮城、新潟、群馬、福島、愛知、千葉、茨木、滋賀、山口、九州は沖縄まで投句あり。海外からも4句投句がありました。
高校からは、伯方高、松山東、今治西、岐阜飛騨神岡、水沢、吉城、松山中央、愛光、名古屋高、済美平成等から投句がありました、中学生、小学生からも・・・。
一次予選に残った75句を15ブロックに分けて、トーナメント勝ち抜き戦を行います。
一草庵へ参加者に選句権があり、5人の俳人・選者がレフェリーとなります。
「山頭火柿しぐれ賞」の5賞を決めます。
参加して俳句を楽しみましょう。
「俳句一草庵」の第一次予選句75句は次の通りです。
①-1 風向きはよし長老の野火の下知
①-2逃げ水や負けたところで変わりなし
①-3鍵させば住家となりぬ犬ふぐり
①-4完走の深き一礼風光る
①-5まだ星が残っている空に窓ひらく
②-1春ショール齢の坂を忘れけり
②-2桜貝方程式の解けぬまま
②-3昭和の日みんなが知っている軍歌
②-4上から下に春の川かな
②-5春風の吹く手紙が届く
③-1初桜手筆にて書く令和かな
③-2再会は大樹となるやこの桜
③-3雛しまふ夕べきよとんと籠の鳥
③-4遠いケンカにクスクス笑うおでん
③-5蒲公英ぽぽぽ山頭火さん飲んでるか
④-1二人の電話ボックス開けて冬
④-2石竜子来て一草庵の留守居かな
④-3弟もおなじ三月立子の忌
④-4雛に空見せる小窓を磨きけり
④-5極楽の余り風とや花ミモザ
⑤-1鰻は平和の味して新しき世なり
⑤-2核心に触れられぬまま蜜柑剥ぐ
⑤-3心臓のあかあかとして雪女
⑤-4草の花母が再婚するらしい
⑤-5寒ざらしの土くれ今も変わらぬ昔の匂い
⑥-1春光や享年百四の喉仏
⑥-2子兎を抱いて心臓だと知った
⑥-3少年と無言のベンチやがて雪
⑥-4満月の生みおとしたる伊予の牛
⑥-5遮断機の上がりて春の匂ひける
⑦-1マフラーに編み込んでいる赤い糸
⑦-2死神のふつと掠める花明り
⑦-3持久走白詰草の坂登る
⑦-4我を捨てなほも我のある海鼠かな
⑦-5潮干潟立てば足裏のくずれゆく
⑧-1ころり往生冬日畳に招き入れ
⑧-2クレーンの首は折鶴春愁
⑧-3魂のぽんと抜けたる紙風船
⑧-4うららかや母になりきる一人芝居
⑧-5マカロンの小皿に跳ねる春の色
⑨-1マフラーの空から降ってきたような
⑨-2歩みを止めて花の香をいただく
⑨-3落椿犬とAIゐる実家
⑨-4夜桜や平成の色零したる
⑨-5辛夷咲く空の固さを柔げし
⑩-1春風やガムテープみたいな私
⑩-2元気かい「うん」の返事の春メール
⑩-3太陽を無数に飛ばし石鹸玉
⑩-4前世を猫だと仮定して朝寝
⑩-5オカリナの譜面の余白春惜しむ
⑪-1牡丹雪水に映りて水に消ゆ
⑪-2ひまわりと土の中は時計
⑪-3春が来た笑いころげる猫がいる
⑪-4初つばめ空の青さの際立てり
⑪-5観音の生命線に春ほこり
⑫-1薔薇の芽やトルソーの指は金属
⑫-2時雨客そのまま居着く寺坊かな
⑫-3寒林にあまたの吐息眠りおり
⑫-4天高し空の割れ目のナフタリン
⑫-5五月の空へ梯子をかける
⑬-1一字空白となっているふくろう
⑬-2リュウグウノツカイの抱く雪の海
⑬-3手鏡の中に堂々たる冬日
⑬-4春の夢百まで生きて目覚めけり
⑬-5瓶振れば海恋ふる音桜貝
⑭-1さよならの「ら」の口のまま雪の花
⑭-2ほど良き暮らしぬれ縁に雀の子
⑭-3チューリップぐらいの恋
⑭-4帰るのか父の声背に春夕焼
⑭-5しゃぼん玉そろそろ国へ帰ろうか
⑮-1お接待いたゞいて知る温もりです
⑮-2春一番が学校おした
⑮-3春泥を来て三四郎に会ひにけり
⑮-4春昼のカフェや異国語飛び交ひて
⑮-5花冷や小さき手縫ひの被爆服