日経新聞が、日曜版(3月28日)大きく取り上げてくれましたので、紹介をしておきます。
タイトル「自分に分け入る」
熊本植木町・味取観音堂、山頭火の墓がある防府護国寺、防府・山頭火ふるさと館、
山頭火終焉の地一草庵での取材記事です。
取材者が、それぞれ好きな句をあげている。
空へ若竹のなやみなし
濁れる水の流れつつ澄む
鉄鉢の中へも霰
壺に水仙、私の春は十分
私は、一草庵を代表して、「鉄鉢の中へも霰」の句が一番好きだとしました。
自論、鉄鉢の中へ霰 でなくて、山頭火は 鉄鉢の中へも霰 と詠む。
「も」の中に、山頭火の深い思いを感じるからです。
山頭火は、日記に句作態度として「自己のうちに自然を観るというよりも、
自然のうちに自己を観るのであると」、そして「俳句は間違いなく抒情詩である、
あらねばならない。」というのです。「も」の一字に、山頭火の深い抒情がこめら
れていると思いませんか。
カメラマンが、素敵な写真を撮ってくれました。裏の竹やぶからの写真です。
タイトルを付けてみました。
「コロナ禍の中、一草庵の灯り」