今週の山頭火句

今週の山頭火句 重荷は二人でよいこらさ 山頭火

2012年10月9日火曜日

山頭火さん、あなたを落語で語る人が出てきましたよ。

山頭火さん、今日10月8日は、あなたを偲んで、「山頭火・一草庵まつり」を行いました。
まつたく雲がない笠をぬぎ の句ような秋晴れのいい天気でした。

あなたのことを忘れないように、勉強してもらって、「山頭火検定」を受験していただきました。
今年は、20名の参加者でしたが、熊本は人吉から、徳島からも駆けつけてくれました。
松山東高・松山大学の学生、歯科医の先生もいましたよ。(欠席者、2名)

これは、第3回山頭火検定の試験問題です。

問18 山頭火の現存する日記は、昭和9(1934)年9月9日からのものです。

9月14日人吉町の宮川屋で、芭蕉の「奥の細道」吉田兼好の「徒然草」にも匹敵する
序文を残しています。
 「私はまた旅に出た。――
 所詮、乞食坊主以外の何物でもない私だった、愚かな旅人として………………
 水は流れる、雲は動いて止まない、風がふけば木の葉が散る、魚ゆいて魚の如く、鳥とんで鳥に似たり、それでは、二本の足よ、歩けるだけ歩け、行けるところまで行け、
旅のあけくれ、かれに触れこれに触れ、うつりゆく心の影をありのまゝに写そう、私の生涯の記録としてこの○○○を作る」 ○の中に入る言葉は何ですか。

          1 一草記  
          2 草木塔
          3 行乞記

人吉からの人も言っていました、また坂本福治先生からも連絡をいただいていましたが、
あなたが、この行乞記の序文を記した人吉の宮川屋の所在地がやっと判明したそうです。
「宮川屋を検証する会」の歯科医をされている那須智治さん(71)の調査の結果です。
その場所は、昭和19年の山田川山津波によって流出され跡形もなくなっているそうです。
現地は復旧されないまま山田川河川敷となり、宮川屋前の道路には出町橋が継ぎ足されているそうです。
(※人吉の那須先生から、「出町橋」のことについて、ご連絡がありました。
コンクリート橋に木造の橋がつながれていたのが、昭和49年7月新しいコンクリートの橋に整備されたそうです。)


山頭火検定試験会場

続いて、「山頭火寄席」のお話です。
もりもりもりあがる雲へあゆむ 山頭火さん、一草庵の笑い声、聞こえたでしょう。
初めての野外での落語会でしたが、うまくいきましたよ。
素敵な会場「山頭火一草庵亭」が出来上がり、出囃子にのって、

まずは、愛大落研の愛家明陽(いとしや・あけび)さんの登場。
演じますのは、古典落語「金明竹」です。
少しヤボな説明をしてしまいました。
 落語会のヒーロー、頭が弱く失敗ばかりの与太郎が登場しますと、言ってしまったのですが
 丁稚・定吉のバージョンでした。
  骨董屋の店蕃の小噺、道具七品の話へと進んでいきます。その中にでてくるのが「金明竹」
 です。中国・黄檗山にある黄金色の名竹。
 隠元が、来日して宇治に万福寺を建てたとき、この竹を移植したそうです。 
 隠元・木庵・即非の張り交ぜ屏風も話の中に出てきます。
 一草庵の近くには、黄檗宗・千秋寺があります。
 そこには、即非の書といわれる「海南法窟」の額が残っています、貴重な遺品です。
 もうひとつの品として、「古池や蛙飛びこむ水の音」風羅坊正筆の掛け物が登場します。
 『風羅坊』とは、芭蕉の雅号(ペンネーム)です。 

 主人が帰ってきます。
 買うように頼んでいた道具七品、ちゃんと買ってくれたんやろか。
 いいえ、買わず(蛙)に飛びこみました、というお話。

愛家明陽さん

続いては、愛大落研の部長、寿亭富蜂(ことぶきてい・せれびぃ)さん。
桂文珍の新作落語「老婆の休日」を披露してくれました。
 オードリー・ヘップバーンもグレゴリー・ペックも話の中には出てきませんが、医者と老婆の会話、
間合いもよく笑ってしまいました。

寿亭富蜂さん

コントは、松大の中西建設の西山君と中島君、ノリがとてもいい。
飛び入りで、愛大落研の黄金山(ごーるでん・まうんてん)の面々も登場。

中西建設さん
黄金山さん

トリは、山頭火の創作落語「山頭火コロリ往生」です。
山頭火の落語、世界のどこにも無いでしょう。
五十九楼小辰(ごそくろう・こたつ)さんが、創ってくれました。

山頭火の念願は、コロリ往生です。
山頭火は、護國神社のお神酒を飲んで、高いびきをかいて寝ています。
「コロリ往生受付所」にやってきます。そこには、閻魔さまがいました。
手続きがうまくいくと、無事コロリ往生ができるそうです。
最後の場面。
山頭火さん、やけに安らかな寝顔で。気持ちよさそうです。
松山の人はみんな本当に優しい。

山頭火 はい、みんな優しいです。
     私に優しくしてくれる訳まで聞かせてくれそうです、閻魔さま。
閻魔さん それは、是非伺いたい。
      その訳を言ってください。
山頭火  訳いっても 訳いっても 青い山


五十九楼小辰さん

五十九楼小辰さんの語り、玄人顔負けでした。

出演者全員集合

大入!「山頭火寄席」風景

早速、朝日新聞の清野記者が
「山頭火の軌跡 それぞれの胸に」として、報道してくれましたので、紹介させていただきます。


             <お 知 らせです。! 一草忌(山頭火73回忌)>

            10月11日(木) 一草庵にて法要。
                     (一草庵公開日です、山頭火の遺品・鉄鉢やキセルが公開されます。)


           9:30  御幸寺土屋住職 読経
           9:50  琵琶「俳人山頭火」奉納(見立旭庸)
                 山頭火への献句

           12:30~ 講話「山頭火と朱鱗洞」 藤岡照房
                      

2012年10月2日火曜日

10月8日は、「山頭火寄席」。                笑って笑って青い山

  山頭火の命日、ご存知ですか。10月11日です。
1940年(昭和15年)に亡くなくなって、73年を迎えます。

        わが庵は御幸山すそにうずくまり、お宮とお寺とにいだかれてゐる。
        老いてはとかく物に倦みやすく、一人一草の簡素で事足る。所詮私の道は
        私の愚をつらぬくより外にはありえない。
  おちついて死ねそうな草萌ゆる 山頭火
 
 この句を詠んで、
 昭和14年12月15日一草庵に入庵して、約10ケ月後に、コロリと大往生する。

  今年は、昨年度の”まぼろしの琵琶「俳人山頭火」に負けないように、
 新たな企画として、「山頭火寄席」を開催します。

        と き  平成24年10月8日(月・祝)
       ところ  一草庵広場 (護國神社西隣)



 「一人一草の簡素で事足ると愚をつらぬいた」
           私の落語を聞きに来てね  山頭火

 このキャッチ・フレーズで、大いに笑っていただこうと思っています。
 木戸銭は無料としました。是非、お誘い合わせの上、ご来場ください。

   創作落語「山頭火コロリ往生」をご披露するのは、五十九楼小辰さんです。
  さて、どんな山頭火さんが登場するのでしょうか、楽しみですね。

  愛大落研の富蜂(せれびぃ)さん、明陽(あけび)さんも一草庵へ駆けつけてくれます。
  富蜂(せれびぃ)さんの、渋さの中の笑いに引き込まれてしまいます。

  松大落研の中西建設さんは、コント「忍者」を披露。軽ろやかなテンポに、ついつい
  乗せられてしまいます。

 この秋の「山頭火・一草庵まつり」 大入満員、間違いなし。

 社会貢献活動の一環として、次の企業が応援してくれています。

  道後山頭火の酒「一浴一杯」の水口酒造
  魚一筋「土屋水産」
  俳句の宿「大和屋別荘」
  「かわさき眼科」(セブンスター三津店西隣)
  そうだ、バスでいこう! 「奥島観光バス」
  椿赤く思うこと多し 山頭火の「椿神社」

  松山市の<『坂の上の雲』フィールドミュージアム活動支援事業>です。

2012年9月30日日曜日

ハイクアート「種田山頭火の世界」を紹介します。

9月28日、勝山中学の1年生が、総合学習の時間の勉強に「一草庵」へ来てくれました。
各クループに分かれて、次々と約90名のフレッシュな生徒たちに、
若さと新鮮さを一杯いただきました。

  もりもりもりあがる雲へあゆむ  山頭火

の句を紹介しました。
<山頭火松山での句帖、9月1日の句>

彼らに、
山頭火は、空を・雲を見上げて、未来に向って歩き続けるぞ、その気持ちを持ち続けようと、つぶやいているようですよ。
その山頭火の気持ちを、あなたたちも忘れないでね、と説明させていただきました。


そんな時、吉田さんが、ハイクアート「種田山頭火の世界」のポスターをもって来てくれました。
「切り絵」でつくられた山頭火の作品です。
もりもりもりあがる山頭火の世界が、見事に表現されています。


 作者:吉田多喜子さんの言葉です。

 「漂泊の詩人として、俳句愛好家に大変人気の高い「種田山頭火の世界」を切り絵で表現し、ハイクアート絵はがきを作りました。あわただしく過ぎてゆく日々の中でホッと心癒される一シーンとして、居間・廊下・玄関などお住まいの一隅に。また遠く離れた大切な方への季節の便りなど、詩情豊かに演出しお楽しみいただければ幸いです。」
 
 作品を紹介します。
 6枚(1セット)600円(税込)  連絡先 089-924-3025
 「一草庵」でも販売しています。


この「山頭火・切り絵アートの絵はがき」
フランスから来た欧州俳人たちに、プレゼントさせていただきました。

2012年9月21日金曜日

一草庵での日仏俳句交流                    松山や元気もらいて秋の旅  マルティンヌ

 フランス俳人たちの四国俳句巡りの皆様が、一草庵に来てくれました。

 フランスとの時差は、12時間ぐらいあるのでしょうか。
フランス中南部 オーヴェルニュ地方のクレルモン・フェランという町に暮らしている合谷麻容子さんから、電話があったのです。
そして、思いのこもった長文のメールをいただきました。

<オーヴェルニュ地方は、日本人にはあまり知られておりませんが、ちょうどフランスのおへそのあたりの地方で、ヴォルビックというミネラルウォーターの源泉のある緑豊かな場所です。私たちが暮らしている首府・県庁所在地であるクレルモン・フェラン市は、フランスでも最古の歴史を持つ町の一つとしても知られ、ガイドブックで有名な世界的タイヤメーカー ミシュランの本拠地で、哲学者パスカルの生地です。>

彼らの俳句スタイルは、自分たちにピッタリとくる自由律俳句だそうで、山頭火や放哉になろうとするのだそうです。
山頭火は海外では、大変人気のある俳人で、来日するマルティンヌ・ブルジエールさんは、フランス俳句協会発行の俳誌に山頭火の記事を執筆しているとのことです。

海を渡って発展した外国語俳句がそうであるように、フランスでも5-7-5の17音の制約や季語などの決まりはなく、3行程度に綴られた短い詩が「HAIKU」と呼ばれているとのこと。
俳句の創作は、日本語でなく、それぞれの国の言葉で行われ、それぞれの国で独自の「HAIKU]スタイルが広がっている。
「HAIKU」は、日本の詩であるということも忘れられてしまう日は近いかも知れないという。
そこで<日本の俳句のご先祖さまへのお墓参り>という日仏俳句交流プログラムができたわけです。
そして合谷さんは言います。
俳句は国際化したとはいえ、ふるさとの匂いがしないということを寂しく思っています。
「HAIKU」をきっかけに日本を知り、日本語や日本文化に触れてもらうことで、日本への興味や理解へとつなげることはできないか、古の俳人たちの生涯や句の生まれた歴史や背景、四季のうつろいに敏感な日本人の豊かな季語表現やわずか17音で表現される感動と世界観、日本の詩歌の魅力である日本語の美しい響きやリズムを彼らに感じてもらうことはできないものか。
俳都・松山は、まだ残念ながら海外の俳人たちには知られていないのが現状です。かつて熱い思いを持って生き抜いた俳人たちが暮らした場所であるということに思いを馳せてもらい、まだ知られていない魅力を発見し、一緒に世界へ発信しようという、萌えるような思いが合谷さんから伝わってきました。
もう一人、熱い熱い日本人がいます。日本側代表の香川県丸亀に住む、尾崎美恵さんです。
「四国夢中人」のホームページをご覧ください。そこには熱いパワーが漲っています。

HAIKUから俳句へ-欧州俳人たちによる四国俳句めぐり
世界に飛びだしたHAIKUたちの里帰り・その松山編を紹介します。
  (松山は、9月18日、19日、20日の滞在でした。)
18日の午後は、フランスの建築をモデルとした萬翠荘見学
    そして松山城へ。
19日は、子規記念博物館での糸瓜忌セレモニーへ参加
子規記念博物館で挨拶をするフランス俳人たち
それから、子規記念博物館~子規堂~庚申庵へ。
そして一草庵での俳句交流。
 一草庵の入り口で、日本の秋のこころ、コスモスの花を手渡し
お出迎えしました。そして、その花を山頭火さんに献花していただきました。

コスモス(秋桜)の花でお出迎え
山頭火の生涯、句碑の紹介のあと、
琵琶唄「俳人山頭火」を琵琶師・見立旭庸先生に演奏していただきました。そしてフランス俳人の方々にも琵琶にさわっていただき、琵琶を弾いていただきました。
 前にもブログで紹介しましたが、フランスの文化勲章といわれるコマンドールをもらった琵琶師・鶴田錦史がいるので、日本の音として認知されているかも知れません。
琵琶「俳人山頭火」を聴くフランス俳人たち

続いて、フランス俳人と一緒になって、琵琶の音に合わせて
山頭火の句
 分け入っても分け入っても青い山 を朗詠しました。

琵琶を弾くフランス武道家・ローラン・ペイアンさん
続いて、書家・石丸繁子先生に、”俳句を書く”ということで
山頭火の句
分け入っても分け入っても青い山 の書作の実演をみていただきました。
山頭火の句を書く書家・石丸繁子先生
山頭火・放哉が大好き、国内外で活躍する俳人マルティンヌ・ブルジエールさん

拍手を受ける俳人ミン・ティルト・ファームさん
宇都宮憲市さんに、俳句を墨によって写し取る拓本の実演をしていただきました。
拓本の実演をする宇都宮憲市さん
山頭火の俳句を声に出してうたい、俳句を書にしたためて
拓本にして俳句を観賞していだだきましたが、いかがでしたか。
と聞く時間もありませんでした。
 そんなことをしている時、山頭火さんが、突如登場しフランス人にご挨拶。(山頭火案内人の高橋君)
山頭火に扮装の高橋君とブルジエールさんとドゥテェイさん

好きなうどんを持つ山頭火さんと鉄鉢を持つペイアンさん

最後に”うどん”をすすっていただいて山頭火さんを皆で偲ぼうと、考えていたのですが、これもキャンセルとしました。

 山頭火最後の年、昭和15年9月19日の一草庵日記には、
夕方から正宗寺へ 子規忌なのでお墓まゐり。
亀屋でうどん2杯食べ、帰庵、とあります。

参加者全員で記念写真

一番残念だったことを報告して終ります。
ロンドン・オリンピックで、なでしこジャヤパンの活躍が日本を印象づけたので、是非、フランスの方になでしこの花を見ていただこうと、沢山の人が一致団結して探してくれました。
その見つかったなでしこの花を、すっかりと紹介できなかったので、涙しています。
(私は、後で気が付くひょうきん者です、マティンヌ・ブルジエールさんの素敵な服の模様、なんとナデシコじゃないですか、写真を見てわかりました。またまた声をかけられず残念かな。)

また、俳句を詠む人たちが集まってくれたのに、交流の時間がとれなかった。




最後に、一草庵にて、毛筆で「俳句の書」にチャレンジしたフランス俳人の俳句を紹介します。

すだれ雨食べるのみてた蚊が僕を ローラン・ペイアン
 鳥なきて木陰の奥に松山城    ミン・ティルト・ファーム
   松山や元気もらいて秋の旅     マティンヌ・ブルジエール

※ 「四国夢中人」のHPで
  ”欧州俳人たちによる四国俳句巡り”報告会が拝見できます。
   http://muchujin.jp/archives/author/tomoko

 四国の文化に触れて、四国を腹いっぱい夢中に堪能された様子がズバリうかがえました。
 まるで、「四国夢中人」になったようです。
 海外では、自由律の俳句が主流だというお話もされていました。
 俳句を通じて、四国文化の発信をしてくれるそうです。バンザイ!

2012年9月20日木曜日

「第3回山頭火検定」の受験者を募集します。         県外の人もチャレンジを。 

 あなたも「山頭火」を身近に感じてみませんか。

父の遊蕩、母の自殺、家の破産・夜逃げ、弟の自殺、
酒に溺れてのち坊主への転身、家も妻も子も捨て、酒に溺れて、人に甘えて、放浪する。
それでも生きている自分を、俳句に詠んだ山頭火。
そして、死に場所を求めてやってきた俳都・松山で、温かい人々に取り囲まれてコロリ往生。
いろいろな不孝を乗り越えて、生き抜いてきたパワーを、その俳句の中に感じませんか。
未来は大変不安です、波瀾万丈の人生を送った山頭火の生きざまの中に、
生き抜いてゆくためのヒントが、隠されているかもしれませんよ。
「山頭火検定」合格者は、
きっと、不孝を背負って生き抜き切った山頭火の魔力を、いただくことができるはずです。

 「山頭火検定」応募者には、合格のするための傾向と対策の栞を送らせていただきます。
※来年度は、一歩すすんだ「山頭火検定2級」を計画しています。


第3回目の「山頭火検定」を行います。
山頭火を勉強して、いで湯とお城と文学の街・松山を堪能してみませんか。

『山頭火検定』のご案内をします。

試  験 日  平成24年10月8日(月・祝) 13:00~14:30
試験会場  みゆき会館(℡ 089-924-8965) 
                  (松山市御幸1丁目476 護国神社西隣)

検定料   一般 ¥1000  高校生以下  ¥500
       検定料の振込は、最寄の郵便局の「振込取扱票」で。
       ・振込先 口座記号番号 01680-3ー108377    
       ・加入者名   まつやま山頭火検定実行委員会            

募集期間  8月1日(水)~9月21日(金)
申込方法  ハガキまたはFAXで、下記の申込先へ。
      (住所・氏名・電話番号・年齢・性別を記入。)
試験要項  60問・択一式  正解率70%で合格認定。
『山頭火検定・公式テキスト』(¥600)より90%出題。

過去の検定問題は、ジャンル別情報の「ク、山頭火検定問題、ス、第2回山頭火検定問題」
をクッリクすれば、参照できます。

※『山頭火検定・公式テキスト』は、子規記念博物館、一草庵で販売しています。
 遠隔地の方は、下記の<申込先>へご連絡ください。

(希望により、「山頭火検定対策講座」を開催。)

 <申込先> 〒799-2651   愛媛県松山市堀江町甲1615-3
                   NPO法人まつやま山頭火倶楽部
                        TEL 090-6882-0004
                        FAX 089-978-5959

 今年は、山頭火検定後の山頭火に捧げるイベントは、
「山頭火寄席」を行います。
 創作落語「山頭火コロリ往生」をご披露します。
愛媛大学、松山大学の落研のメンバーも参加・応援してくれます。
是非、お立ち寄りください。

 山頭火の言葉と句、自選句集「草木塔」より
   
  わが庵は御幸山すそにうずくまり、お宮とお寺とにいだかれてゐる。
  老いてはとかく物に倦(う)みやすく、一人一草の簡素で事足る。
  所詮私の道は私の愚をつらぬくより外にはありえない。

    おちついて死ねそうな草萌ゆる  

  山頭火さんが、「私の落語ができました」聞きにきてね、といってますよ。

2012年9月19日水曜日

一草庵だより

一草庵だより第27号をお届けします。
今回は「夏の子どもまつり」の記事が満載です。まっすぐな子どもたちの目がとらえた俳句は、読む人の心を洗います。ぜひお楽しみください。また、「山頭火検定」や「山頭火寄席」などお知らせもあります。ごゆっくりどうぞ。
《 内 容 》
第1ページ
・ 一草庵・夏の子どもまつり
         200人参加し盛況裡に終わる
・ 10/8「山頭火検定」と「山頭火寄席」
・ 8月の山頭火句〈ブログ紹介の句〉 
第2ページ~第3ページ
・ 【特集】一草庵 夏の子どもまつり 俳句表彰
第4ページ
・ 俳人こばなしとクイズ
・ 先生へのインタビュー
・ 参加者の声
・ 山頭火の映画ができます
・ フォトほっと

2012年9月9日日曜日

一草庵が「BS11」で紹介されます、是非見てね。

「久しぶりに きれいな海ば見た。」
映画「あなたへ」で、大滝秀治87歳が、散骨を終えた英二(高倉健)に吐く言葉です。


この言葉に、撮影現場の高倉健は、泣いてしまいます。
一見、静かで平和そうに見える海で暮らしている漁師たちは、
悲しみと喜びのある海に生きているんだ。
いつも美しい海ではないんだ、と言っている声が聞こえてきて泣いたのです。
久しぶりに、がいいですね。
(この言葉、俳句の究極的な精神が宿っているようですね。)




うれいしいこともかなしいことも草しげる  山頭火

の句が、ふと頭に浮かびました。

高倉健は、「久しぶりに きれいな海ば見た」、なんてつまらないセリフだと思っていたらしい。
大滝の言い方と気迫にビックリした。これこそが、この映画のテーマなんです、と高倉健はいう。

(NHKプロフェッショナル 「仕事の流儀」 映画界の伝説 高倉健特集より)

この話を、実は、私、一草庵で8月19日に宇和島出身の元NHKアナウンサー 宮川俊二さんから聞いていました。
高倉健主演の映画「あなたへ」は、山頭火の句集をもって旅する映画ですよ、と声をかけたところ、上で紹介した大滝さんのお話をされました、朝日新聞で読んでいたそうです。

その宮川さんは、旅人となって、文学のまち・松山を紹介するために、一草庵ロケ班と一緒に撮影に来られた。スケジュールが一杯で、ワインの話もできなかった。

その番組「とことん紀行 愛媛編」は、2012年9月14日(金)20:00~20:54に、
BS11で放送されます、是非見てくださいね。
再放送は9月28日(金)に、同じ時間帯で放送されるそうです。

 文学の街として、松山城、道後温泉、庚申庵、一草庵、正岡子規の関係の史跡を、宮川さんがとことん掘り下げます。
 あなたもきっと”松山へ行ってみたくなります。”
「一草庵」縁側でインタビューする宮川さん
山頭火の位牌にお線香を上げる宮川さん

2012年8月30日木曜日

山頭火ファンの見た、映画「あなたへ」。


遅くなったが、山頭火ファンが揃って、映画「あなたへ」を見た。

映画は、
 このみちや いくたりゆきし われはけふゆく  種田山頭火  の字幕で終わる。

この句は、現存する山頭火日記・行乞記(昭和5年9月 九州地方)の表扉にかかれている。
    このみちや
山頭火最初の行乞記の表紙
         いくたりゆきし
    われはけふゆく

    しづけさは
         死ぬばかりの
    水がながれて

この句は、若山牧水の歌
   幾山河越えさり行かば寂しさのはてなむ国ぞ今日も旅ゆく
に共鳴して作った句のように思える、旅をしながら、山頭火は牧水の歌をよく口すさんでいた。
 牧水は、1904年(明治35年)早稲田に入学、そして1928年(昭和3年)に病気でなくなっている、享年43歳。山頭火は1902年に早稲田入学、2年先輩。山頭火は1904年に退学しているから面識はないと思うが、旅をしながら、後輩の活躍ぶりを応援していた。

(参考:山頭火は、折本第一句集「鉢の子」を昭和7年6月2日に刊行するが、結庵を諦めて川棚温泉を去る。当初、山頭火は、この句集の名前を「破草鞋」と考えていたようだ。
そのことが解る木村緑平宛ての山頭火の手紙が残っている。<昭和7年3月23日>

 ”句集の体裁も書名もお任せしますが、「破草鞋」と題してはどうでせうか、これは禅語として、使いつくしたものを意味します。そして私の生活に即していつても、清算を暗示しませう、いつぞやお話いたしましたところの、「この道をゆく」は本格的句集に名づけたいと思います、……”

 句集の題名は、「破草鞋」でなく、井泉水の助言を入れて、「鉢の子」に決定。
行乞記の最初に記した山頭火の句
 このみちや いくたりゆきし われはけふゆく の句には、
本格的な句集に「この道をゆく」と名付けたいと考えていた山頭火の思いが、にじみ出ているよう思えた。)

さて、話を映画に戻そう。
 無言の背中に、語らずして人生を表現する、日本映画界を代表する高倉健の存在に、
山頭火の句もかすんでみえる。

 そして、山頭火の句よりも、回想シーンにでてくる田中裕子の歌が、うまいのにビックリした。
その歌は、宮沢賢治の作詞・作曲の童謡「星めぐりの歌」。田中裕子は、宮沢賢治の名を忘れさせるような、さわやかで新鮮な歌声で、兵庫県朝来市の竹田城跡(天守閣のない石垣だけの日本百名城の一つ)の「天空の音楽祭」で歌っている。

 一番の名演技は、余貴美子ではないだろうか。テーブルに置かれた紹介メモの字”大浦吾郎”を見る眼も、妙にいい、この人も語らずして、多くを語る。
 結婚を前にした、彼氏と娘のウェディング・ショットの写真を、海に流して欲しいと英二に頼む。
7年前に遭難したまま、帰らぬ人となった夫に、二人の結婚を報告できるからと…。
倉島英二(高倉健)は、ただそれだけで、勘がはたらく。

 空一面の夕焼け、吾郎の船に乗って散骨に行く。ダルマ夕日が、実に美しい。

夕陽を見つめて、静かに妻の遺骨を海にまく。
カッコいいですよ。そっと静かに稚魚を放流するようにして、海に骨を流す。

そして、英二は戻された退職届を、薄香の郵便局に投函して、平戸を去っていく。
門司にたどりついた英二は、南原(佐藤浩市)に余貴美子から託された娘の写真を渡す。
そして、言う、
「あなたには、あなたの時間が流れている」と。(妻・洋子から英二への最後のメッセージだった。)
英二は、妻と共有した時間から旅立ち、自分自身の人生を歩み出す旅に出ようと思う。
残された想い出の中だけに生きるのでなく、
老いてもなお、歩み出して欲しいと願った妻のために。

そして、この映画の最後に登場するのが、種田山頭火の俳句。

このみちや いくたりゆきし われはけふゆく

私はまた旅に出た。
所詮、乞食坊主以外の何物でもない私だった。愚かな旅人として一生流転せずにはゐられない私だった……。(行乞記より)
そんな山頭火の句に余韻を感じ取った人は、いるのだろうか。


映画で紹介された山頭火の句は、3句だった。

   行き暮れてなんとここらの水のうまさは
   分け入つても分け入つても青い山
   このみちやいくたりゆきしわれはけふゆく

<小説と映画の違う処>
★映画では、妻洋子からは2通の葉書。
1通は、1羽のスズメと白い燈台の絵に、
「故郷の海を訪れ、散骨して欲しい」という言葉。
もう1枚は、洋子の故郷、長崎県平戸市の薄香郵便局への局留め。
白い灯台の絵に、5文字の「さよなら」だけ。

 小説での局留め郵便は、長い手紙。
その最初の一行は、 「あなたへ」
「…この局留めの手紙は、今回の旅へと強引に誘い出しました。
薄香の海に散骨をしてもらえば、いよいよあなたとお別れです。
これからは、あなたには、あなただけの「一歩」があると思うのです。
その一歩を踏み出して、どんどん素敵な人生を歩んでください。……
あなたと出会えたことは、私の人生における最良の奇跡でした。
出会ってくれて、ほんとうにありがとう。
心から。 洋子」

★映画で、ビートたけしは、中学校の国語教師で登場。
中学の先生といいながら、なんとなく怪しげな雰囲気を上手にかもしだすビートたけし。
車上荒らしをする杉野、中学教師をしていたのも嘘と、警察に暴かれる。

小説では、女子高の元国語教師、卒業できない女子高生の罠にかかって、そのわいせつ行為で、教職を解雇される。

★イカメシの展示販売所は、大坂の阪急百貨店。
映画では、京都に入って東寺の五重塔が映し出される。そして大坂の阪急百貨店で、健さんはイカ洗いを手伝う。

小説では、広島の福乃屋百貨店となっている。

★小説にはない部分
 台風が通り過ぎて、英二は妻の生まれた故郷を歩るく。

 そして、ある古ぼけた写真館で、立ち止まる、
 ウインドウに飾られてる妻洋子の少女時代の白黒写真見つける。
 じっと見つめていた高倉健は、帽子を取って、
 「ありがとう・・・・」と声を出す。
 カッコイイですね、健さん。
  妻の残した言葉の想いを感じるのだった。

山頭火に次の句がある。
    牧水の歌を誦して
  秋ただにふかうなる今日も旅ゆく  

今回の映画は、倉島英二(高倉健)の富山から長崎までのロードの旅。
その道中で、いろいろな事情を背負った人と出会う。
山頭火が好きという怪しさ漂う元中学校の先生という杉野輝夫(ビートたけし)。
妻に浮気されたイカ飯のトップセールスマン田宮裕司(草彅剛)。
平戸薄香から失踪中の南原慎一(佐藤浩市)。
遭難した主人を思い出す薄香漁港で濱崎食堂を営む濱崎多恵子(余貴美子)。
もうすぐ結婚するという奈穂子(綾瀬はるか)と、その彼氏大滝卓也(三浦貴大)。

今日も旅ゆく山頭火。
山頭火流に言えば、「旅」は「人生」を象徴している。
この映画、旅を通じてさまざまな人生を映し出す。
不幸を背負って
捨てきれない荷物のおもさまへうしろ
と放浪する山頭火の世界が、ふと偲ばれた。

 山頭火も宮沢賢治も、
 歩いているだけ絵になる高倉健に食われてしまった映画のようでもあった。

映画の登場人物を頭に描き、改めて森沢明夫の映画小説「あなたへ」を読めば、
あなただけの素晴らしい心の旅に出ることができるはず。
映画「あなたへ」全国ロケ地マップ